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『日本習合論』読み途中1

久々に読んだけどやっぱり面白いです内田樹。読んでてもまったく意味がわからないところが無く、平易でわかりやすい。難しい言葉にはたいてい説明が入るし。するすると読めます。最後まで読んで感想書けや、というかんじですが。面白いとこ書きとめてみた。

少しだけ思想史的な説明をしますと、世界恐慌のあと、日本では中小農家が没落し、窮乏化した農民たちを糾合するかたちで、反近代・反資本主義・反都市を標榜する過激な農本主義が広がりました。(中略)戦前の日本では、農本主義はファシズムと癒合して、農本ファシズムという習合態をとりました。(中略)この反中央集権的な、農本主義的アナーキズムは1930年の農村の知的な若者たちにはずいぶん魅力的に映っただろうと思います。しかし、農本ファシズムはその後、国権主義に屈服し、満州国建国以降は、窮乏した農民たちを中国大陸に送り込む帝国主義的国策の尖兵に変容しました。小谷が一時期属した満蒙開拓移民運動はまさに農本主義が植民地主義と癒合したものでした。

「どうせろくなことになんないんだろうけど、他に道が無い、みたいなかんじでは」と農本主義を見てたんだけど、相当危なっかしいですね。ファシズムと癒合しちゃうのかー。

宇沢弘文の社会的共通資本の話も面白いんだけど、実際やるとたいへんなんだろうなー特に女が。最近コロ〇のせいで全世界的に家庭菜園ブームですが、みんな別に前近代に戻りたいとかではなく、ただの自衛ではないかと。本人たちにその意識がなくとも。ただ結果的に反都市で反中央集権国家になってしまう。ついでに反グロ。その土地に根付くから。

私がイメージしていたのは、ルーブル大暴落したときのロシアだ。ロシア国民は郊外にダーチャという家庭菜園を持ってそれゆえにも餓死者が少なくて済んだ。でもこの辺も本気でやったらやったでおそらく大変だろうなあー。田舎で畑やってるおばあちゃんとかがいるおうちならまだしも💦そういうレイヤーをひとつ、持つ。ぐらいが精いっぱいかな。ロシアはそれがきっかけでオーガニック大国として無農薬野菜を全世界へ輸出する準備整えてるらしく、転んでもただでは起きぬかんじがカッコイイ。

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