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昨日は女王蜂の虐待の歌が怖くて耐えられないってさんざん言ってたけど、女王蜂じたいはとても好きで、ひととおり聴いている。

この数年、この曲好きだな、って思った曲がだいたい女王蜂だった、ということにごく最近気が付いた。他のも聴いてみたけど、好きなものが多い。ボーカルの子がMtFみたいなんだけど、声の音域が広くて女の子の声にしか聞こえないの本当にすごい。

この曲のPVなんか、どっちもアヴちゃんだ。女子のほうは女子にしか見えない。声だけじゃなくて、しぐさが女性。男性は男性にしか見えない。

なんとも倒錯的。もともと男性がハイヒール履いてるのが好きなので、萌えツボど真ん中でした。萌えた。

すっかり女性的なアヴちゃんなんだけど、

女子の格好すればするほど、男前だな、と思う。男前って言葉、女性への誉め言葉にも使うじゃないですか。力強くてアナーキーだ。他人の評価に左右されないような、強靭さが、男前だって思う。

若い頃の美輪明宏さんを彷彿とさせるような、苦しみから唸るような、そんな力強さがあって、好きだ。本来のブルースって、こういうのを言うんじゃあないだろうか。苦渋の中から立ち上がる精神。すごく、インスピレーションを刺激される。なにもかも。

暗いのに、強さと希望がある。希望、と言っても、世間様に出回っている、お気楽で簡単で軽薄で、一番イヤなことから目を反らしている、狡猾で、ハリボテで、未来がありそうで無い、逃避の匂いのするものではなくて、きちんと大地に足を踏みしめているかのような、世界の醜悪さと苦しみを直視している、その切実な強さが、誰よりも男前だ、というかんじがする。女性的なのに男前だ。こういう一見享楽的で荒んだタイプのほうが、自分の感覚や感性に近い、と思うの不思議。私はどっちかっつーとストイックでありたいほうだからさー。尼僧みたく。むしろこんなかんじに、享楽的なほうに弾けたほうが向いてるのかしら。

日本の未来は暗い、みたいに言われてるけど、女王蜂観てると、全然そんなことないかんじがしてくる。なんとかなるさ、みたいな気になってくるの不思議。混乱期だからこそ、私達中年が心配しなくたって、どんどん後から後から、溢れるように、こういう強い才能の若い子が出てくるのかもねえ。

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