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ピアニストにきいてみよう【鳥のカタログ】no.3

作曲家わたなべゆきこと、ピアニスト大瀧拓哉(大瀧君のノートです、演奏動画なども見られます)の間で行われる、現代に生まれたピアノ作品についての往復書簡です。作曲家の目から見た視点と、演奏家の視点。両方から一つの作品について、深めていきたいと思います。四回に渡って武満徹の「雨の樹:素描」についてお話した後は、変わってメシアン(Olivier Messiaen)の「鳥のカタログ/ Catalogue d'oiseaux」を取り上げます。

前回はピアノ演奏史のお話から、メシアンの演奏についての記述、とても興味深く、拝読しました。

ピアニストにきいてみよう【鳥のカタログ】no.1
ピアニストにきいてみよう【鳥のカタログ】no.2

新しい音楽言語

一度時代背景から作品を見ていきたいと思います。メシアンが「交響的瞑想」を書いた1930年は世界大恐慌の翌年。彼が二十歳そこそこの頃です。世界がファシズム・ナショナリズムに傾いていく中、「伝統」はそれまで以上の意味を持つものだったのではないでしょうか。メシアンは、その後も戦争に翻弄されつつも様々な語法をもって独自の道を突き進んでいきます。

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