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ジグソーパズル

好きだったんですよね。
子どものころよくやりました。

箱を開けると、色とりどりのピースがジャラジャラと入ってて。まずは端っこのピースだけ探して、はめて、外枠をつくって。次は絵柄の部分にとりかかって、箱の絵とにらめっこしながら探して、はめて。

大変なのは絵柄のない部分。似たような色のピースをとりあえず集めて、一つずつはめていく。とても根気がいる作業。集中して、何日もかけて、つくっていく。

ピースがカチッとはまる気持ちよさ、少しずつ絵柄が浮かび上がる嬉しさ、一枚の大きな絵ができあがる達成感。たまらなく好きだった。

ちなみにジグソーパズルの”ジグソー”は、

英語のjigsaw(糸鋸、いとのこ)のことであり、元々このパズルが木の板を糸鋸で切って作られたことからこの名がついた。
Wikipediaより)

だそうです。へぇぇ…

年末だったかな、ふいに好きだったことを思い出して、中学か高校ぶりに1000ピースパズルを買ってみました。これ、買うときも楽しいんですよね。部屋の雰囲気に合わせて、どの絵柄がいいかと悩んで、選んで。

到着したパズルの箱をワクワクしながら開け、いざ始めようと思ったら、パズルを組み立てられる場所がないと気がついて。あらどうしよう。

そうだゴミ袋の上で!と、自分的にはナイスアイディアだと思ったけど、ビニールは平(たいら)じゃないのでピースがぴょんぴょん波打ってしまって。あれ、ナイスアイディアじゃなかった。

うむむどうしたものかと思ったら、一緒に注文した額縁の上(台紙みたいなところ)で直接組み立てられることを知った。へぇぇ…

そんなわけで始めるまで長かったのですが「始めたらすぐ完成するっしょ!」と思っていました。子どものころは得意だったし。集中力もあるし。

ナメてました。

牛歩の進み。完成に向かう気配が感じられない。めちゃくちゃむずかしい。全体的に似たような色味の絵柄を選んだせいもあるのですが。

カチッとはまるはずのピースがはまらない。

はまると気持ちいいからこそ、はまらないことはストレス。絶対ここはこのピースなのに!という箇所ではまらないとぐいぐい無理やり入れ込んでみたり。ピースの正しさは絶対なのにね。

もちろんそれでは入らず、ひたすらピースを探すしかなく。もー!とぶつぶつ言いながら作ること約1か月(毎日やっていたわけじゃないですが)。やっと、やっと、完成しました。

完成に近づくにつれ楽しさが戻ってきました。ピースが残り少なくなり、はまる率が上がっていったからですね。カチッとはまる瞬間が続くと、やはり気持ちいい。

完成したパズルは額縁に入れて飾っています。私の部屋は白い壁がとても広いので、パズルが彩りとなっていい感じです。

最近思ったのですが、文章を書くことはパズルを組み立てることに似てるな、と。

言葉と言葉を組み合わせて一文に。一文と一文を組み合わせて、まとまりの文章に。この言葉がいいかな、それともこっちの言葉がいいかな。あれこれとはめこんでみながら、カチッとはまる言葉を見つけていく。

パズルと違うのは「絶対的な正解がない」という点ですね。絶対にこの言葉じゃないと文章が完成しないということはない。だから、この文章においてどの言葉を使うのが正解なのか、書いている自分にしかわからない。とてもむずかしい作業。

でもそれだけに、カチッとはまる言葉を見つけられたときに、充実感を覚えるのだと思います。最終的にどんな「絵」が完成するかどうかも書いてみないとわからない。だからこそ楽しい。

文章というパズル。
これからもつくることを楽しもうと思います。

本物のパズルは…しばらく作らなくていいかな。




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