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実録!生活習慣はこうやって身につく

お風呂に入るのはたぶん月に1回くらいだった。本を読んだり、テレビを見たり、兄弟で遊んだりしているうちに時間が経ち、お風呂に入らずに寝る。お風呂を思い出した時には入ったが、思い出すのが月に1回くらいだったのだ。

夜になると着ていた服を脱いで、畳んで枕元に置きパジャマに着替える。朝起きたらパジャマを脱いで、畳んでおいた服を着る。毎日その繰り返し。下着はいつ替えていたか記憶にない。たぶん週に1回くらいだったと思う。服は着続けていると袖口は擦り切れてボロボロになるし、全体的にほこりや垢が付いて茶色っぽくなるが、毎日だと見慣れてしまって気にならなくなる。

これが小学校5〜6年頃の私だ。うちはホームレスではないし、貧乏でもない普通の家だった。ただ、両親とも不在で、かつ唯一の大人である祖母は私と2つ下の妹のことは構わなかったので、こうなった。今ならネグレクトと言うのだろうが、小学校に入ったばかりの3女と幼稚園児の4女に圧倒的に手間がかかるので、上の2人を構っていられなかったというのが実際のところだろう。

洗っていない体、着替えていない服。さぞかし臭っただろうと思うが、普段は誰にも指摘されなかった。そういえばたましか会わない母方の叔母に、獣みたいなニオイだと言われたことがあったが、その時は冗談だとさえ思った。そんな姿でもなぜか友だちがいたから、自己肯定感が低くならずに済んだのだと思う。

しかし、中学に入り周囲を過度な程に意識するようになると、自分から入浴も着替えもするようになった。

この経験から得られた教訓はふたつ。ひとつは、『子どもは基本的な生活習慣は、折に触れ教えないと身につかない』ということ。両親がいる時はできていたはずの習慣も、あっけなく消えたのだから。生活習慣として定着し身につくには、見守り支えることが必要なのだ。

もうひとつは、『思春期以降は生活習慣を自ら決める』ということ。思春期になって身についた習慣は、それ以前の親から教えられたものをベースとして、自分から意識的に設定したものだ。逆に言えば、そのようにして定着した習慣は親が指導しても変わりにくい。

これ、食習慣や勉強習慣も一緒かもしれないな。なんかちょっといいこと書いちゃった。

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