見出し画像

在宅介護の訪問サービスについて

 在宅介護は終わりの見えないマラソンと同じ。最初はどうしても頑張らざるをえないし、スタートダッシュはアリですが、1ヶ月もすれば息が切れてきます。早いうちにリズムを整え、日常生活を取り戻していきましょう。
 重要なのは
「いかに楽をするか」
 です。
 大きな声で言いましょう。
 手抜きです!
 楽な介護は長続きをします。余裕のある介護は笑顔を生みます。介護者が笑顔でいれば、介護されるご家族も自然と笑顔になるものです。手抜きこそ正義、持久力の秘訣だと私は思います。・・・とはいえ、要介護者の状態次第ですけれどね。

 全てを一人で介護しようとすれば体力がもちません。誰かと一緒にやってもらいたい、誰かに助けてほしい、その『誰か』が介護保険サービスなのです。

介護保険サービスには、家まで来てくれるサービスや、施設などに通うサービスなどがあります。

本日は、家まで来てくれる(訪問)サービスについてざっくりと説明します。

1)訪問介護

 いわゆる「ホームヘルパー」。料理・洗濯・掃除・買い物、おむつ交換からお風呂の介助まで、実にさまざまなお手伝いをしてくれます。

 けれど家政婦さんとは違います! あくまでも介護の専門職。そのため、頼めることと頼めないことが決まっています。たとえば仏壇やペット、庭の草むしりはダメですし、家族と過ごすリビングの掃除などもできません。その線引は曖昧で難しいですが、ごく大雑把にいうなら、ヘルパーは
「やらなくても死なないことはやらない」
「家族と共有部分には触れない」
 という具合でしょうか。できること・できないこと、ヘルパーさんとの付き合い方については後日あらためて説明したいと思います。

2)訪問リハビリ

 理学療法士(PT)が自宅でリハビリを行います。デイケアに比べると時間をたっぷりとることができます。リハビリの一貫として自宅の周囲の散歩などもしてもらえます。日常生活や家でできるリハビリなど、相談にものってくれます。

3)訪問入浴

 寝たきりなどで自宅のお風呂が使えない人のためのサービスです。特殊な浴槽を持ってきて、部屋の中で組み立て、数人がかりでお風呂に入れてくれます。リビングや寝室など「こんな所でお風呂に入れるの!?」と驚きます。看護士さんも同行するので安心です。

4)レンタル福祉器具

 車椅子や介護ベッド、置型の手すりなど、高価なものを安くレンタルすることができます。壊れたら即、交換してもらえるので助かります。もちろん、商品を買い取ることもできます。

 今、福祉機器は急速に進化しています。電動車椅子は軽く小型になりましたし、ベッドから車椅子に移るための介護用リフトも素人でも使えるようになりました。寝返りをうつ機械や、階段昇降リフトなどもあります(事業所による)。カタログをじっくり見ると
「えっ、こんなものまで借りられるの!?」
 とわくわくします。

画像1

上の画像は、我が家で初めて介護リフトを導入したときの写真です。扱い方にコツがいるのでちょっと失敗しております…。

5)訪問看護

 看護師さんが自宅まで来てくれるのが訪問看護です。バイタルの測定、薬の管理、浣腸、入浴介助といった定期的な健康管理だけでなく、「転んで血が止まらない、助けて!」といった事態に助けを求めることができる心強い味方です。

  介護保険サービスから外れますが、お医者さんに来てもらうこともできます(訪問診療)。「いつものお薬」の処方箋を出してくれますし、万一のときには電話1本で駆けつけてくれ、大きな病院への紹介状も書いてもらえます。
 病院って、行くだけでも大変なうえに待ち時間がつらいもの。家に来てくれれば体が楽なだけでなく、しっかり話を聞いてもらえます。その代わり、お金はかかるのですが。 家で看取りを希望される方だけでなく、通院が難しいすべての方におすすめです。

まとめ

「家」というプライベートなところに来てもらうことには、最初は抵抗があるかもしれません。でも「少しでも楽をしたい」介護者と「住み慣れた家で暮らしたい」要介護者、両方の願いを助けてくれるのが訪問サービスです。遠慮せずに使って介護ストレスを減らしましょう!

※ 配食サービスや訪問美容など、在宅サービスには他にもいろいろありますが、介護保険外で全額自費負担だったりするのでご注意ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?