子宮頸がんワクチンは子どもへのギフト
先日、中学3年生の次女に子宮頸がんワクチンの接種をするため、婦人科へ行きました。
女性の医師から涙ながらに子宮頸がんワクチンへの想いを丁寧にお話しいただきました。
未成年者のワクチン接種は、保護者の同意が必要ですので、親として子どもにしてやれるギフトだと感じました。
子宮頸がんワクチンの現状
今回訪問した婦人科の医師によると、子宮頸がんワクチンが日本で接種可能となったのは、世界で約100番目とのことです。
世界では子宮頸がんワクチンはずっと以前から普及しており、既に子宮頸がん撲滅宣言が出されている国々が何カ国もあります。
しかし、日本における子宮頸がんの罹患率と死亡率 は、年間約10,000人の女性が子宮頸がんに罹患し、約2,900人が子宮頸がんによって死亡しています。
子宮頸がんの原因がウイルス感染だと判明し、ワクチンができました。
今回の医師は、ワクチン接種がすすむよう活動をされ、認められるまでの間に何人も20代の女性が子宮頸がんで子宮を失っていく現場に立ち会って悔しい想いをされたと涙ぐまれていました。
皆さんの記憶にもあるかもしれませんが、一度はワクチン接種が始まりましたが、2カ月ほどで中止となりました。
私の現在22歳になる長女がちょうど、対象年齢の時にワクチン接種の案内があったと思ったら、すぐに接種中止となったことを私も経験しています。
皆さんのご記憶にも新しいと思うのですが、ワクチンによる重い副反応があるとの反対運動によるものでした。
しかし、それらの症状は、ある自治体にてワクチンを接種した人、ワクチンを接種していない人の同人数で比較したところ、同じ比率で発生している症状であり、思春期特有のものでワクチンが原因とは断言できないという調査結果もあるとの話もその医師から聞きました。
WHOからも最も安全なワクチンであるとの発表がされていること、今回の婦人科で2,000人以上ワクチンを接種したものの、発熱した人が1人いただけとの説明で、私も娘も安心しました。
子宮頸がんワクチンの対象年齢
子宮頸がんワクチンは小学校6年~高校1年相当の女子を対象に、定期接種が行われています。
平成25(2013)年6月から、積極的な勧奨を一時的に差し控えていましたが、令和4(2022)年4月から、他の定期接種と同様に接種できるようになりました。
子宮頸がんワクチンのキャッチアップ接種制度
平成9年度生まれ~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性の中に、通常の子宮頸がんワクチンの定期接種の対象年齢(小学校6年から高校1年相当)の間に接種を逃した方には、キャッチアップ接種制度があります。
私の長女がまさにこの年齢にあてはまり、自治体から案内をいただきました。
ただ、進学・就職で長女は県外におりましたので、私が接種につれて行ってやることができずにいます。
就職で住民票を移す際に、こちらの自治体、移転先の自治体に手続を行い、接種できる環境までは整えました。
あとは長女が接種にいけるかどうかなのですが、月曜から土曜まで勤務があり、日曜に接種できる会場がないため、まだ機会を逃している状況です。
子宮頸がんワクチンの種類
子宮頸がんワクチンには、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)の3種類が、現在国内で受けることができるもので、令和5(2023)年4月から、シルガード9も定期接種の対象となりました。
私の次女は9価HPVワクチン(シルガード9)を接種しました。
9価ワクチンは、9種類の子宮頸がんウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンです。子宮頸がんの原因の80~90%を占める、7種類のHPV(HPV16/18/31/33/45/52/58型)の感染を予防することができます。
このワクチンの特徴として、接種開始年齢によって接種回数が異なるというものがあります。
15歳までに1回目を接種した場合は2回、15歳以降に1回目を接種した場合は3回接種となります。
学業も部活動も忙しい年代ですので、1回でも接種回数が少ない15歳までに受けることができれば負担が少ないですね。
県外の全寮制高校進学も視野に入っている次女にとって、タイミング良く15歳の誕生日前に1回目を接種でき、2回接種で今年度中に接種を終えることができます。しかも最も多くの種類のウイルスの感染を防ぐワクチンの接種を始めることができて本当に運が良かったです。
これまで、なかなか婦人科の予約も取ることができず、土日は野球のクラブチームの活動があり、コロナワクチンやインフルエンザワクチンを優先させたりと、なかなかチャンスがなかったのですが、9価ワクチンが接種開始となり、高校進学までに接種を終えられることになりました。
心配した副反応ですが、接種した場所が腫れることもなく、発熱もなく、全くの無症状で翌日元気に野球の試合に出ていました。
みんパピ!という子宮頸がんの普及をめざすプロジェクトを応援していましたので、以前から情報を得て、このワクチンが定期接種となった流れを知り、世界の実態をある程度知っていましたが、婦人科の医師の涙ぐまれながらワクチンの説明をしてくださったことが心に響きました。
一人の母親としての体験が同世代、またこれからこの年代の娘さんを持つ皆さんの参考になれば幸いです。
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