本田雪子

不慣れですが少しずつ、作品を上げていきます。よかったら読んで下さい。

本田雪子

不慣れですが少しずつ、作品を上げていきます。よかったら読んで下さい。

最近の記事

恋愛中学生 / No.003

『知子滞在二日目(木曜日)』  知子さんが僕の街に遊びに来れたのはタイミングがよかった。当時、パートタイムの仕事で働いてた僕は、時間に余裕があった。  初めは知子さんが遊びに来ると言ったとき、少し迷った。仕事もままならない僕が呆けて良いものかと自問した。しかしこのまま無駄に時間を費やし、意味の無い生活もしたくない。切り替えを必要と考えた僕は、知子さんと会う決断をした。  「今好きな人がおんねん」  知子さんの好きな人の話を聞いて安心した。良い人のようだ。  

    • 恋愛中学生 / No.002

      知子「肌の奇麗な女の人」1   知子さんが突然僕の街に来たのは二〇十一年五月、2週間程僕を訪ねに来てくれた。二〇〇七年三月にこの街に引っ越して来た僕は、一度この街を一年程離れいる。その間に移り住んだ街で出会ったのが知子さんだ。僕がこの街に再び戻ってからもずっとチャットで連絡を取り合っている。  知子さんは僕に無い部分をたくさん持っている。三十三歳の僕より二つ下の彼女に尊敬というか憧れというか、そのような類の念をずっと抱いていた。  例えば、恋愛話をしても優柔不断な僕には無

      • 恋愛中学生 / No.001

         僕がこの街に引っ越して来たのは二〇〇七年三月。新しい春が始まった頃に、僕の生活も新しく始まった。慣れない場所にいつも翻弄し、二ヶ月間は決まったルートしか使わなかった。通勤途中に電車の中から見える海が綺麗で、夏までには一人でそこへ行けることを楽しみにしていた。  僕は高校をすぐ中退した後、卸会社に五年半勤めていたが人間関係を上手く築けないのを理由に、あまり人と接する事の無い職業を選び始めた。  パソコンスキルの重要性を知った僕は、卸会社を辞め2年制のデザインスクールへ通っ

      恋愛中学生 / No.003