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台湾的音楽 春麵樂隊 ChuNoodle 客家語のクロスオーバーバンド

台湾のアーティストを紹介するシリーズ。
5月は、バタバタしておりまして、なかなか更新できなかった。反省。

春麵樂隊 ChuNoodle
柔らかなボーカルと、クラリネットの音が印象的なバンドです。
ちょっとジャズの要素もある音楽が、とても歌声や音色とマッチしていて、独特の世界を作っています。

追記:第32回 金曲奨で彼らは最佳客語專輯獎 (客家語アルバム賞)を受賞しました!

彼らの特徴は、客家(はっか)語で歌を歌うことです。
以前のnoteでも紹介しましたが、台湾は多言語、多民族国家です。
中国語(台湾華語)、台湾語、客家語、原住民の言語と、それぞれの民族の言葉が使われています。
彼らがリリースした作品、『到底』にも客家語で歌われている楽曲が収録されてます。

「以為」
2020年発売のアルバム『到底』収録曲です。
柔らかく響くクラリネットの音が、優しい気持ちにさせてくれます。
曲の途中で、日本の童謡「はとぽっぽ」の一節を日本語で歌っているのも、なんだかほっこりして好きです。

ちょっと話が逸れますが、子どもの頃に夢中で見ていたキョンシーのキッズドラマ「幽玄道士」でも、「鳩ぽっぽ」が使われていたような…。
台湾では、日本統治時代に、日本の童謡や唱歌を学校で習い、今でも歌い継がれている曲もいくつかあるそうです。「鳩ぽっぽ」も、そのうちの1曲かと思います。

春麵樂隊 ChuNoodleは、4人組のバンドです。
ボーカル、ギター、クラリネット、バスクラリネットで構成されています。
春のように柔らかな歌声と、ポップスの中に、ジャズの要素がどこかにあるようなメロディが魅力です。

2019年には、台湾のインディーズ楽曲のアワード 金音奨で、「最佳跨界或世界音樂單曲獎」(ベストクロスオーバー・ワールドミュージックアワード)を獲得しています。

そして、今年発表される 第32回 金曲奨では、「最佳客語專輯獎」(客家語アルバム賞)、「最佳客語歌手獎」(客家語シンガー賞)、にノミネートされています。
台湾最大の音楽賞、金曲奨も以前に紹介したように、言語別に賞が存在しているのも特徴です。

ちなみに、今年の金曲奨の授賞式は、6月26日を予定していましたが、台湾での感染状況の関係で延期となりました。
まだ、今日の時点では、日程などは発表されていません。賞の行方も気になりますが、台湾の状況改善を願うばかりです。

「爬山」
同じくアルバム『到底』収録曲です。

三拍子のリズムが心地よく、ロマンチック。
ボーカルの少しだけ こぶしが回るような節回しが、感情を揺さぶってくれて、曲のロマンチックさを引き立てているように感じます。

まだまだ情報が少ないアーティストではありますが、クラリネットとバスクラリネットという独特な編成と、ポップでもジャズでもクラシックでもない、不思議な融合が魅力的なバンド、春麺楽隊。

彼らの楽曲もSpotifyで聴くことができますので、ぜひチェックしてみてください。

また、第32回 金曲奨「最佳客語專輯獎」(客家語アルバム賞)のプレイリストもSpotifyで作成してみました。
ご興味ある方は、ぜひこちらも。

追記(2021年7月25日)
台湾のインディーズ音楽情報サイト「Blow 吹音額」によると、春麵樂隊 ChuNoodleは、シンガポールで行われている、第14回Fresh Music Awardという音楽賞で「最佳新團體」という最優秀新人バンド賞を受賞したようです。
この賞には、多くの台湾アーティストもノミネートと受賞をしているようで、第32回金曲奨にノミネートされているYELLOWや田馥甄、桑布伊、そして残念ながら活動休止となってしまった、The Fur. なども名を連ねています。


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