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台湾的音楽 東京中央線 台湾で愛され続ける日本人トリオ

台湾のアーティストを紹介するシリーズ。
東京中央線。その名前から、オレンジ色の車体と高円寺あたりの景色が目に浮かぶのですが、台湾と日本で活躍。台湾の音楽ファンにも愛される存在です。

東京中央線は、大竹研(ギター)早川徹(ベース)福島紀明(ドラム)の3人からなる、インストギタートリオです。
台湾で活動し、台湾の音楽賞レースにも名を連ねる、人気実力を備えたバンドです。

「Cat & Mouse Game」
2020年リリースのアルバム『Fly By Light』収録曲。
変拍子で、トリッキーな感じが猫とネズミの追いかけっこみたいだなぁと思い聴いています。

彼らが、東京中央線というバンド名になるまでには、長いストーリーがあります。
公式HPによると、2013年に台湾で大竹さんと早川さんのデュオでライブを行う際に、ライブのイベント名を「東京中央線ジャズ」と名付けたのがルーツだそうです。ちなみにジャズは、台湾では"爵士"と表記しますので、台湾でのイベント名は、「東京中央線爵士」と表記されました。
最初は、デュオでしたが、ドラムを入れたいということで福島さんを誘い、現在のスタイルに。2014年に3名体制で台湾で初めてライブを敢行。
この時点では、「東京中央線」はバンド名ではなかったのですが、台湾オーディエンスから、東京中央線のライブはいるやるのか?などと、名前が独り歩きを始めたので、2017年にバンド名を東京中央線にした、とのこと。

ライブ会場でのお客さん反応から、バンドが走り出すって最高の展開ですね。音に合わせて、踊ったりカラダを揺らしたりしている姿が、想像できます。

「Moonlight Between Towers」Live@Room335 台南

東京中央線は、2018年に「大港開唱(Megaport Festival)」に出演。
2019年には、台湾で活躍するサックス奏者、謝明諺を迎えて制作されたアルバム『Lines And Stains』が、台湾の音楽アワード、第30回金曲獎で3部門にノミネートされ演奏類最佳專輯獎 (インストアルバム賞)を受賞
2021年、台湾インディー音楽のアワード、第12回 金音創作奨では『Fly By Light』が、ベストジャズアルバム賞にノミネートされています。

個人的には、Special Othersと日本で対バンしたら面白そうだな…と思っています。どちらのバンドも、都会的というよりも、少しのんびりとした雰囲気があり、自然の中でビールを飲みながら聴きたいなと。
音に身を任せて、のんびり楽しみたいですね。


さて、東京中央線の3名は、別のバンドでも活躍しています。
それが、生祥樂隊。
日台合同バンドという編成ですが、こちらはインストではなく歌あり。
ロックやラテンの雰囲気もありながらも、アジアの湿気や雰囲気が感じられるバンドで、農業や環境問題にも、注意を払いながら活動し、楽曲にもそのポリシーを見ることができます。

なお、生祥樂隊は、2021年の第32回 金曲奨では、 アルバム『野蓮出庄』で、最佳樂團獎 (バンド賞)にノミネート。そして、2021年の第12回 金音創作奨では、最佳民謠專輯獎(ベストフォークアルバム賞)と 最佳民謠歌曲獎(ベストフォークソング賞)にもノミネートされています。
彼らは、2021年の金音創作奨では、東京中央線と生祥樂隊でノミネートされていたという、凄いことになっていました。

生祥樂隊については、こちらで紹介しています。

台湾で活躍する日本人も多くいますが、音楽の分野でインディーシーンに深く関わり、バンドを掛け持ちする上に、賞レースにも名を連ねるのは、稀有な存在だと思います。
日本人アーティストを、来日公演ではない状態で、台湾のライブハウスで見ることができるのは、面白いと共に嬉しいことだなと思います。

東京中央線の作品は、Spotifyでも聴くことができます。
ぜひ、チェックしてみてください。



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