大人になった今こそ必要な子供心

子供って本当に見ているだけで面白い。
泣きたければ泣くし、楽しければ何度でも同じことをしたり、とにかく純粋そのものなのだ。

甥っ子がまだ小さかったころ、一緒に動物園に行く機会があった。
確か初めての動物園だったと記憶しているが、動物好きの甥っ子たちはよく図鑑を見ていたので、本物の動物を見たらさぞや喜ぶだろうと、甥っ子たちのそんな姿を想像しながらワクワクしていた私は、そこで驚きの光景を見た。

忘れもしない、象のコーナーでのこと。
生で初めて見る象の大きさに驚いたり、目を見張るのかと思いきや、
あんなに大きな象を前にしているにもかかわらず、足元を歩いているアリの行列のほうが楽しいらしく、甥っ子たちはずっとアリを見ていた。

子供って、子供って、、、すごい!
常に大人に囲まれて生きてきた私にとっては、感動を覚えるほどの出来事だった。
甥っ子たちにとってアリの巣は初めて見るものではなかったけれど、
今この瞬間、興味の対象が象よりアリ、ただそれだけのことだったのだ。

今象を見ておかないと次にいつ見られるかわからないよ~?
それでも今見ておかなくていいの~?
アリならいつでも見られるのに、本当にいいの~?

そう思う自分をちょっと恥ずかしく感じた。
あぁ、今を生きるってこういうことなんだな・・・。
私にもこんな時があったんだ・・・。

子供を見ていると、本当に目の前のことに一生懸命で、好奇心だけでひたすら動いている。その瞳はキラキラしていて、あまりにも綺麗で純粋で、涙がでてしまう。

あのキラキラした私はどこにいったんだろう?
多分今の私も本当は子供心を持っているんだと思う。ただ、あまりにも色んなことを経験するうちに、その気持ちを奥にしまい込んでいき、どこにしまったかも思い出せないだけなのだ。

でもハートは覚えている、私のどこかに今も子供の私が眠っていることを。
きっと思い出してほしいんだろうな、私の本心は。
そして私がその心を取り戻したとき、同じ涙は流さないだろうと思った。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?