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紀伊半島気ままにバイク旅・8

この日最後に訪れた道の駅は、実は2度目の訪問。1度目に来た時は定休日で入れなかったから。
無事に道の駅のスタンプをゲットして、あとは帰り道にもう1箇所、道の駅に行けば終わりだ。

残りの1箇所は愛知県の設楽町にあるので、なるべく道の駅近辺の宿に泊まろうと考えた。


と、その前に。まだ時間が少しあったので、通り道にある道の駅に寄ることにした。

紀の川の川沿いにある道の駅は、和歌山の朝日夕日100選にも選ばれている。
とりあえず、店内をグルリと回り物色。そんなことをしているうちに、気がつけば日没間近。慌てて外に出て土手の上へと向かう。

ギリギリセーフ。
この日の夕日はとても綺麗で、紀の川と夕日の景色を堪能。いい旅の締めくくり。(まだもう少し残っているけど)

日が沈み、どんどん薄暗くなってくる。早く宿を決めて移動しなくては。
携帯で宿を探していると、隣に駐めてあったバイクのオーナーさんから声をかけられた。

「今日はどこまで行かれるんですか?」

最初は話し掛けていいのか悩んだらしい。
明らかに旅人の様相なので、訳ありの日本一周の人かと思い、躊躇っていたそうだ。
(彼が言うには、日本一周する人って、ちょっと変わった人が多いから、だそう)

その彼は神戸から来ていて、近畿の道の駅巡りをしているらしい。基本、高速を使わずに移動するそうだから、すごい。ただし、大阪中心部は別だそうで(交通量も信号も多いし、上限額が決まっているから)これから高速で帰ると言っていた。
そんなふうに世間話をしているうちに、真っ暗になってしまった。明日行く予定の道の駅に一番近いインターに宿の予約をしたので、急いで向かわなくては。

宿は、愛知県の豊川インターの近く。現在いる場所が和歌山県のかつらぎ町だから、まだまだかなり距離がある。


しかしこんな時に限って、ガソリンの残りが少ないという。
このまま自動車専用道路に乗りたいところなのに、ガソリンスタンドに寄るために下道を走る。

こんな時に限って、なぜかスタンドが現れないという。
しばらく走って、ようやく空いているガソリンスタンドを発見。
その間、インター2つは見送った気がする…
でもこれでガソリンの心配もなくなり、先に進むことができる。


それでも順調なのは最初だけ。混んできたな〜なんて思っていたら、事故渋滞で全く進まなくなるし、一般道の区間は信号が多くなかなか進まないし、名阪国道に入るまでがとにかく長い。時計を見るとそんなに経っているわけではないのだけど、体感時間は恐ろしく長く感じた。


ようやく名阪国道に入った時にはもうヘトヘト。
暗くて、寒くて、ある意味極限状態。路面に目を凝らしながら、無心でバイクを走らせる。

亀山ハイウェイオアシスで、やっと一休み。疲れはピークで、体は芯から冷え切っていた。寒さで体が思うように動かない。
電熱ジャケットを着ていたけど、一日中ONにしていたから、とうの昔に充電がなくなっていた。背中が暖かいと思っていたのは気のせいだったらしい。

地図を見るとまだまだ先が長い。宿を決めた時は何も考えていなかったけど、豊川まで、実はかなり遠かった。(単にちゃんと距離を確認していなかっただけだけど)

時計を見ると時刻は19時30分。
もう21時頃くらいになっているかと思っていたから、時間がまだ早いことに驚いた。
和歌山を出発してから、まだ2時間ほど。だけど、暗くなるのが早かったことと、疲れがひどくて、体感時間が異様に長く感じていたみたい。こんなにも長く感じた事は、ほとんどない気がする。

休憩もそこそこに、宿を目指して再び出発。
とにかくひたすら走って、ようやく宿に着いたのは21時過ぎ。
チェックインしようとすると、まさかの日付を1日間違えて予約していたことが発覚。


ここまで来てまさか事態に大ショック…
呆然。
これ以上走る気力も体力もないし、どうしようと途方に暮れてしまった。

だけど、運が良かった。
たまたま空き部屋があったので、予約の日にちを変更してもらえ、宿泊することができた。

寒さに震えてて疲れはてた顔、ボサボサの頭、汚いジャケットで、不憫に思われたかな…


はじめは、とにかく寒くてジャケットを脱げないくらいだった。
このまま寝たい…と思ったけど、大浴場付きのホテルだったので、最後の力を振り絞り、風呂に入ることに。
大浴場は貸し切りで、じっくりゆっくり温まることができ、疲れを癒すことができた。


翌日は夕方から仕事。
朝一番で道の駅へ行って、早々に帰路に着かねば。
道の駅で買った柿の葉寿司とチーズケーキで晩ご飯を済ませ、ぐっすりと眠りについた。

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