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雪割納豆のあれこれ⑨雪割納豆の米麹って!アスペルギルス・オリゼー

本日は雪割納豆の主原料である、米糀についてのお話する。昨今、ニュースで紅麹について話題になっている。早速、弊社にも「紅麹製品の使用はありませんか?」といった問い合わせを頂いた。雪割納豆の麹菌は黄麹菌(白もやし)である。黄麹菌は二ホンコウジカビとも言い、日本醸造学会において国菌に認定さている。また、黄麹菌はアスペルギルス属でタンパク質をアミノ酸に、デンプンをブドウ糖に分解する酵素を生産することが大きな特徴である。黄麹菌の学名はアスペルギルス・オリゼーと言い、オリゼーはラテン語でお米をことを意味している。昔から、日本酒・醤油・味噌造りなどに幅広く利用されてきた。黄麹菌のカビの胞子は、若い時、白色で、成長するにつれて黄色から緑色に変化することから黄麹カビとよばれる。上記で雪割納豆の麹菌は黄麹菌(白もやし)と記述したが、黄麹菌がベースとなり、各穀物や醸造する製品によって、白麹(白もやし)を使用している。現代では黄麹菌がベースになって、沢山の種麹が作られている事を理解して頂きたい。
元となる麹菌は「種麹」や「もやし」と呼ばれ、麹菌を製造する業者さんを種麹屋さんやもやし屋さんと業界では呼んでいる。平安時代や室町時代では、朝廷や幕府公認の専門業者である麹座だけが「もやし」を製造することが許され、醸造業者に卸されてきた。昔からそれだけ種麹は権力側に管理され、貴重なものであったことが伺える。
ちなみに昨今、話題になっている紅麹菌はモナスカス属に分類される。デンプン質を分解する酵素を生産することが特徴である。また、古くから中国や台湾、日本では沖縄において、紅酒や豆腐ようなどの発酵食品に使用されてきた。近年では着色料の「べにこうじ色素」の製造に利用されている。紅麹菌は、紅麹カビを培養し、色素のみを抽出したものになる。本日は麹菌についてお話をした。麹菌は、黄麹菌・黒麹菌・白麹菌・紅麹菌など沢山の種類がある。穀物の種類や製造する製品によって最適な麹カビが人々の生活の中で、使用されてきたことを知って頂きたい。また、昨今、話題になっている紅麹菌が悪い物ではないとうことも知って頂きたい。紅麹サプリの原因については、今後の解明と丁寧な説明が待たれるところである。本日はこのへんで、お読みいただきありがとうございます。
ゆきんこHP

紅麹菌は生物分類でモナスカス属。麹菌と呼ばれる中で大きな違いがある訳です。


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