マガジンのカバー画像

スガノユキコのもっと知りたいうつわ旅

12
テーブルコーディネーター/プロップスタイリストの菅野有希子(スガノユキコ)がうつわの産地を訪れた探訪録。食器の豆知識から旅の醍醐味まで、うつわのことがもっと好きになる旅の記録です。
運営しているクリエイター

記事一覧

インプットする奈良|鹿猿狐ビルヂングでしたい5つのこと #うつたび

インプットする奈良|鹿猿狐ビルヂングでしたい5つのこと #うつたび

"旅でもっとうつわが好きになる" #うつたび 。今回は奈良のニューカマー「鹿猿狐ビルヂング」を堪能してきました!

これまでの窯元さんや産地を巡る旅とはちょっと趣が違いますが、広く「ものづくり」「工芸」を知るという意味ではとっても味わい深いスポットでした。ものづくりの世界の先端を野心的に駆け抜ける『中川政七商店』が昨年作られた複合施設「鹿猿狐ビルヂング」。

「見に行ったけどいつもの中川政七商店の

もっとみる
赤膚焼を通して感じるゆる〜い奈良| #うつたび 奈良編

赤膚焼を通して感じるゆる〜い奈良| #うつたび 奈良編

奈良といえば日本最古の都。伝統工芸が豊富な一方、うつわのイメージはどちらかというと希薄かなと思います。陶芸はやはり土が取れる場所で発展してきた歴史がありますし、木工もやはり山が近くにある地域。盆地の奈良はそうした”素材”という意味で縁が薄いのかしら…。なんて思っていましたが、そんな奈良にも「赤膚焼 (あかはだやき) 」という伝統工芸としてのうつわがあることを知りました!

「香柏窯」さんのギャラリ

もっとみる
受け継がれる信楽登り窯とアートな伊賀ショップをはしご| #うつたび 信楽編

受け継がれる信楽登り窯とアートな伊賀ショップをはしご| #うつたび 信楽編

"旅でもっとうつわが好きになる" #うつたび 信楽編も最後になりました。前回の『NOTA SHOP』に浸りすぎてもう時間がない!と焦りつつ最後駆け足で回ったスポットをご紹介します。

16:00 伊賀のアートなショップ『Gallery-yamahon』

伊賀なので厳密には信楽ゆかりとは言えないかもしれませんが、距離的に近いので車で山をめぐって『Gallery-yamahon』(ギャラリーやまほん

もっとみる
わざわざ行きたい、洗練ギャラリー『NOTA SHOP』| #うつたび 信楽編

わざわざ行きたい、洗練ギャラリー『NOTA SHOP』| #うつたび 信楽編

前回につづき #うつたび 信楽編第二回です。

居心地いいカフェですっかり長居しちゃったけど、お腹いっぱいになったところでこの旅本命のギャラリーへ。

14:00 古い製陶所をリノベしたハイセンスギャラリー『NOTA SHOP』

やたら細くて不安定な田舎道をカナエさんの神運転のおかげでなんとか辿り着いた先にあったのは、信楽きってのハイセンスギャラリー『NOTA SHOP』でした。

ロンドン留学

もっとみる
信楽の”今”が詰まったギャラリーカフェ『TORASARU』| #うつたび 信楽編

信楽の”今”が詰まったギャラリーカフェ『TORASARU』| #うつたび 信楽編

信楽焼といえばたぬきというイメージありますよね。

意外にもたぬきが一大ブームになるのは昭和以降、陶芸の歴史の中では最近ですがイメージというのは恐ろしいもので信楽を検索するとたぬき率高めです。うつわをめぐる旅 #うつたび としてこの春滋賀県を訪れました。そう、今回は「たぬきだけじゃない」信楽の旅のお話です。

信楽1日コースはすてきなホテルにくわしい(そして実はうつわにも詳しい)カナエナカさんと

もっとみる
炎に包まれ、美しい音色を聞く楽焼体験| #うつたび 京都編

炎に包まれ、美しい音色を聞く楽焼体験| #うつたび 京都編

みなさん、こんにちは。うつわが好きなスタイリスト菅野有希子です。今年の春、京都、奈良、滋賀の陶芸産地をめぐる #うつたび してきました。今回はちょっと素敵な京都での体験についてお話しします。

「TOKINOHA Ceramic Studio」

訪れたのは「TOKINOHA Ceramic Studio」。うつわの展示販売を行うショップはもちろん、職人さんの工房や、体験スペースも兼ねた複合施設で

もっとみる
山と向き合う彫刻としての漆器| #うつたび 山中漆器編

山と向き合う彫刻としての漆器| #うつたび 山中漆器編

山中漆器って木と向き合う芸術なんだ。山から掘り起こす彫刻なんだ。そう思った山中漆器ツアーでした。

九谷焼をめぐる旅の最後に、同じく石川県加賀の伝統工芸「山中漆器」の世界をのぞいてきました。

職人技を垣間見る体験型ツアー『CRAFTOUR』

訪れたのは山中漆器の工房を見学できる体験型ツアー『CRAFTTOUR(クラフトツアー)』さん。ウェブサイトの写真や動画がめちゃくちゃかっこいいのでまずサイ

もっとみる
新しい風が吹く。九谷焼作家さんとの出会い| #うつたび 九谷焼編

新しい風が吹く。九谷焼作家さんとの出会い| #うつたび 九谷焼編

九谷焼の歴史を知り堪能した後で、すてきな出会いがありました。それは小松でものづくりをする若手作家さんとの出会いです。緒方康浩さんのご紹介で(ありがとうございます!)、能美市にある「九谷陶芸村」へお二人の工房を見学させていただきました。

※「九谷陶芸村」では若手作家の育成として職人工房を貸し出しています。

絵本の挿絵のよう、ユーモラスな絵付けの堀畑蘭さん

一人目は堀畑蘭さん。石川県立九谷焼技術

もっとみる
九谷焼を知るならギャラリーへ| #うつたび 九谷焼編

九谷焼を知るならギャラリーへ| #うつたび 九谷焼編

これまでVol.01 Vol.02と、九谷焼の窯元さんをめぐってきましたが、いやそもそも九谷焼って?九谷焼のことまだよく知らないんだけど、、というみなさん。今日はそんなあなたにぴったりなギャラリー探訪のお話です。

洗練された九谷焼複合文化施設「CERABO KUTANI/九谷セラミック・ラボラトリー」

まずなんといっても抑えておきたいのが「CERABO KUTANI/九谷セラミック・ラボラトリ

もっとみる
同じ産地でも窯元さんによって個性はみんな違う| #うつたび 九谷焼編

同じ産地でも窯元さんによって個性はみんな違う| #うつたび 九谷焼編

前回に続き、九谷焼編です。
錦山窯さんを後に、緒方さんに九谷焼の窯元さんをご案内いただきました。

歴史ある蔵がギャラリーに「宮吉製陶」さん

最近ギャラリーを作ったという宮吉製陶さん。大きな蔵をそのままに、立派な梁がかっこいい!この壁の落書きにも歴史ありです。

九谷焼の窯元産の中では産地でも最も大きな窯元の一つである宮吉さん。大きな窯元さんだからこそ、多種多様なうつわを作られています。そんな中

もっとみる
九谷焼の産地は日本の北欧だった| #うつたび 九谷焼編

九谷焼の産地は日本の北欧だった| #うつたび 九谷焼編

「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」ならぬ、飛行機を降りると雷雨が吹き荒れていた。それが今回訪れた石川県小松市。九谷焼の産地です。

九谷焼とは?

みなさんは九谷焼ご存知ですか?緑、黄、赤、紫、紺青の五彩の上絵付けが施された磁気のうつわです。緻密かつ豪華絢爛な紋様と色彩感覚が特徴で、石川県で作られている伝統工芸のうつわです。

そんな九谷焼をめぐる今回の旅は〈きほんのうつわ〉スタッフのikar

もっとみる
スガノユキコのもっと知りたいうつわ旅 #うつたび

スガノユキコのもっと知りたいうつわ旅 #うつたび

みなさん見てください。コレが私が買った旅の戦利品たちです。

旅から帰ってきて気づいたらもう二ヶ月経ってました。そうなんです、昨年12月に念願のうつわの産地訪問をしてきたのです!あれもこれも情報をシャワーのように浴びて感じてコレまでにない充実感を感じたものの、それを整理して文章にするのがどうもうまくできなくて。

陶芸のマニアックすぎる話書いても誰も読まないかな?実際に旅する人に有益な方がいいかし

もっとみる