ギリシャ神話 軍神アレースと副腎とストレス

アレース

最高神ゼウスと婚姻の女神ヘーラーの子。軍神。
戦争の災厄を司る神。

美と性の女神アフロディーテの恋人であり、アフロディーテとの間に、ハルモニアー(調和)、デイモス(恐怖)、ポポス(敗走)を生む。

人間であるディオメーデースにさえ敗北したり、巨人兄弟アローアダイに青銅の壺の中に13カ月幽閉されたりと余り良い話はない。

さて、戦いとは何か。
生体内の炎症やストレス反応をさしている。

アレースは間脳ゼウスの子。
視床下部から分泌される副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンー副腎を司る神がアレース。
副腎はストレスホルモンを放出する器官。

副腎皮質からは、ステロイドホルモン(コルチゾール、アルドステロン、テストステロン)、
副腎髄質からはカテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)が作られる。

アレースが性腺刺激ホルモン放出ホルモンのアフロディーテと結びつくのは、副腎が性腺刺激ホルモンのテストステロンを分泌したり、性腺ホルモンがステロイドを原料にしているから。

アレース(副腎支配)とアフロディーテ(性腺支配)の子が恐怖、敗走、調和とされるのは、ストレス反応である闘争・逃走反応と関わる。

闘争・逃走反応は、おそらく出産時の陣痛とも関わっている。
陣痛を促進させるのはオキシトシンによるものだが、陣痛と言う強い痛みに対するストレスに関与。
副腎髄質から闘争物質アドレナリンが放出される。

さて、アレースの子、ハルモニアー(調和)は、カドモス(エウローパの兄、フェニキアの王子)と結婚する。
陣痛時に放出されるオキシトシン。
愛情ホルモンとも呼ばれ、子宮の収縮や乳汁分泌を促す。
このオキシトシンがハルモニアー。
陣痛の痛みを調和する。
このオキシトシンが分泌される場所が脳下垂体後葉と呼ばれる部分。
脳下垂体後葉からもう一つ分泌されるのが、バソプレッシンと呼ばれる抗利尿ホルモン。
腎臓での水分の再吸収を増加させます。
このバソプレッシンがカドモスに当たる。

カドモスはアレースの泉の大蛇を退治して、アレースの怒りを買う。
このアレースの泉の大蛇とは、腎臓の尿細管。
副腎皮質から分泌されるアルドステロンによりナトリウム(塩分)の再吸収が行われるが、ここにバソプレッシン(カドモス)が関与する。
カドモスはこの地をアテーナーに捧げる。
それによりこの部分を支配したのがアテーナー(カルシウム)になります。

バソプレッシン。
脳下垂体後葉から分泌され、水分調整を行う。
さらにこの時、アテーナーが介入。なぜか?
カルシウムの調整に腎臓が関与するため。
骨を司るアテーナーは、カルシウム調整を行う。
カルシウム濃度は一定になるよう常に調整されているが、ナトリウムとカルシウムが腎臓で拮抗する。
どちらが優位になるか、の争い。
制したのはアテーナー、カルシウムの調整が優先された。

また、人間にさえ敗北したとされるが、これはトロイア戦争に関わる話である。
トロイア戦争は体内の糖化を象徴。
副腎は血糖を上げるホルモンを放出するが
糖化を抑制する勢力に敗北した。

そして、巨人兄弟に幽閉されたエピソード。
巨人兄弟は高密度リポタンパク質(HDL)と低密度リポタンパク質(LDL)。
ステロイドホルモンはコレステロールから生成される。
この時に幽閉された。

このように、アレースの神話は副腎の機能にまつわるお話でした。


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