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ギリシャ神話 愛と美と性の女神アフロディーテと第六感ーいろはにほへと

前回アフロディーテの誕生からその本質を考察した。
愛と美と性の女神たる所以。

マグマから湧き出す水素ガスがその根源であり
生命の発生、繁殖を支えた。
このような特性をもつアフロディーテが生体内でどのように活動するのか。
まずはアフロディーテと行動を共にするエロースとの関係から探りたい。

エロース
恋と性愛の神。
アフロディーテとアレースの息子とも言われるが、本来は原初神ガイアらと共に誕生し、全ての神々の中で最も卓越した力を持つとされる。

エロースは、フェロ磁性。イタリア語の鉄ferroから命名。鉄はiron。

地球誕生の時、というより宇宙が生まれた時から存在し、物質の特性を決定したもの。
宇宙に磁性が生まれた。極性が生まれ、陰陽が生まれた。
極性は、胚の分化の前提条件になる。

鉄は地球の磁力を生むため必要な物質であり、生体内ではヘム鉄としてヘモグロビンの材料となり酸素を引きつけ全身に運搬する。
生命になくてはならない物質。
磁性体。それがエロース。
物質を引きつけたり、反発したりする。

さて、アフロディーテの配偶者アドーニスとの物語である。
アフロディーテは赤ちゃんのアドーニスに一目惚れ、
その育児を冥府の女王ペルセポネーに依頼。
だがペルセポネーもアドーニスに一目惚れし、
アフロディーテと取り合いになる。
ゼウスの仲介で、一年の三分の一ずつをアフロディーテとペルセポネーで分け、残り三分の一をアドーニスの自由にした。
ところがアドーニスが自由な時間もアフロディーテといたため、ペルセポネーが嫉妬。
アフロディーテの恋人アレースを唆し、アドーニスは殺された。
アドーニスの流した血からアネモネの花が生まれた。

アドーニス
フェニキア王とその王女ミュラーから生まれた。
ミュラーは父に恋してしまい、父に娘だと分からないようにして交わる。妊娠したが、父に秘密がバレて殺されそうになる。
没薬(香木)に姿を変えて逃げたが、猪がぶつかって木が裂けて、アドーニスが生まれた。

物騒な出自をもつアドーニスだが、この物語最大の意味は、没薬にある。
香り、匂い
この匂いに関する秘密が明らかにされる。

フェニキア
白い牡牛に変身したゼウスにさらわれたエウロペは、フェニキア王の娘。
エウロペの話は、視床と視神経と眼が結ばれる話。
脳の要になる感覚器、眼。
その誕生の物語。
つまり、発生学でフェニキアが象徴しているのが、外胚葉表皮細胞。
そこから生じて匂いと関係する器官は、鼻。
王女ミュラーが父と交わるのは、外胚葉から鼻と嗅上皮が発生した事を指す。
さて、嗅覚は、最も原始的な感覚器で、理性を介さない本能の感覚である。
ミュラーは、匂いそのものを象徴。
アフロディーテより美しいのは、ベンゼン環つまり正六角形構造をもつ芳香族化合物を指すため。
ベンゼンはとにかく安定した美しい形をしている。

さらにミュラーの名前に注目すると、子宮や膣へと分化するミュラー管につながる(ミュラー博士が発見したのは運命としかいいようがない)
鼻から肛門まで体内は一つの腔でつながっている。
ミュラーは鼻から膣へと延びていく。
女性の膣分泌液ピリジン。この液体は独特な匂いとアルカリ性による苦味を持つ。
没薬の苦味は、この膣分泌液ピリジンの苦味を象徴。

ピリジンは複素環式芳香族化合物であり、ベンゼンに含まれる6つの C−H 構造のうち1つが窒素原子に置き換わった構造をもつ。アドーニスを身籠もるとは、つまり窒素を内包するということ。

さて、このピリジンから、アドーニスが生まれる。
猪が象徴するのは膣内乳酸菌。
膣内を酸性にしている菌。
塩基性ピリジンはこの乳酸菌の酸の下に脱離反応される。

ピロール

窒素一つの五員環構造を持つ複素環式芳香族化合物のアミンの一種である。
ピロール環4個が炭素原子1個ずつをはさんで結合した環には、ヘム(ヘモグロビンやシトクロムに含まれる)のポルフィリン環、クロロフィルのクロリン環、ビタミンB12のコリン環などが(多くは内部に金属をキレートしている)。

これらテトラピロール化合物は生体内物質に多く、また二重結合が多数共役しているため可視光を吸収し特有の色を示すものが多い。
色は重要なキーワードになっている。
アドーニスの流す赤い血。

アドーニスたるピロールは、生体内でポルフィリン環をつくり赤血球の構成要素となる。
つまり赤い血の色を作っている。酸素アフロディーテと結びつく。


ペルセポネーは、感覚を象徴。
ペルセポネーは大地女神デメーテールとゼウスの娘で
冥府と地上で半分ずつ暮らす。
つまり体表面の感覚器から知覚神経、大脳(冥府)に存在している。光を感知する色素も管理している。

この話は、嗅覚で感じとる刺激の奪い合い。
嗅覚受容体の機能に関わる。
嗅神経で感知する匂いと(ペルセポネー)
鋤鼻器で感じとるフェロモン(アフロディーテ)
終神経で感知する匂いがある(アドーニスの自由)
アドーニスが、終神経で性腺刺激ホルモン放出ホルモンと関わる為、アフロディーテとばかりいる事になった。

アドーニスがアネモネになるのは球根を象徴。
つまり嗅球のこと。
嗅球は、眉間の奥にある。
第三の眼と言われる場所。
さらに奥には、松果体がある。

おそらく、第六感は二つの器官が関与している。
松果体と嗅球。
松果体は眼から光の波長を感知。
嗅球は鼻から光の匂い(磁性)を感知する。
光のもつ二つの特徴を別々の器官で感じとる。
だから、いろはにほへとちりぬる
色は匂う、色は2方へと散る。

現代の人類は、肥大化した大脳によって本能的な感覚が退化してしまったが、古代日本人はこの秘密を直感で知っていたのだと思う。

さらに色は、色街など性的な事をいう。
セクシーなことを、色気と言う。
異性を意識する様を色気づくという。
性腺刺激と色。赤は発情を示す色。

アドーニスの物語は、色と匂い、赤色と発情に関して、
光が関与している事を示している。

光は色、
色は二つの性質をもつ。
波長と磁性。
視覚と嗅覚。
嗅覚は、性腺と結びつく。
嗅覚と視覚はつながっていて
匂いは色として識別される
赤色の匂いー血の匂いー鉄サビの匂い
磁石のように引きつけられる運命の人ー赤い糸

生物はつがいとなる人を匂いから嗅ぎ分けている
(フェロモンは似ているが、鋤鼻器でちょっと別の機能)


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