数字の3、6、9 計算の発明


数と言う漢字は、スウ、せめる、かず、かぞえる
婁(ろう)と攴(ぼく)に従う。
婁は女子が髪を高く結い上げた形。
これに攴を加えてその髪形を乱すことを数と言う。
数数として髪が乱れるのが字義。
女を責める行為としてなされたという。
祭祀に奉仕する女子を殴つのは、これを責める重要な事由があることだろうと説明されるが、全く意味不明である。

また計と言う漢字は、ケイ、数える、はかる
言と十に従う。
説文では、會なり、筭(さん)なり、とある。
計はもと卜(ぼく)に従う字であったかと思われるとある。

いずれにせよ、巫と数に関係がある。

算、筭、祘 サン、かぞえる、
これらは一系の漢字。
算は、竹と具に従う。具は貝を両手で供える形。
筭は、竹と弄に従う。両手で算木を持つ形。
祘は、示と示に従う。算木の形で数を示す。

算木に竹を用いるのは算、筭。
祘は別の字形。だが全て数える意味。

祘は、祭卓の形である示が二つ重なる象形とされる。
だが、鹿の角から始まったのではないかと推測している。
鹿の角の叉(枝分かれ)は、年齢により変わる。
一歳鹿は角が一本。叉はない。
二歳鹿は角に一叉あり
三歳鹿は角に二叉あり
四歳鹿(以上)は角に三叉となる。
年齢引く1が叉の数になる。
恐らく枝分かれには成人の意味があった。
鹿は二歳で成人になる。
人も思春期を経て、男性性、女性性と分化する。
つまり元々数は叉の数をいった。

鹿は食卓を豊かにしてくれる神からの贈り物。
それが祭卓に変化した。
その恵みの神が宿る角は、抜けては生えてくる再生の象徴。
つまり数の根源は、鹿頭(かず)から始まる。
それは三叉で止まる。三。三で括られる。
数える基本は、三が1単位になる。
最初の一年は、計算にはいれない、おまけの1。
この概念は、おそらく易占にもちこまれた。
最初に筮竹を一本抜くのは、計算にはいれない数なのだろう。計算には入れないが、存在する1。

算は竹と具の象形だが、
具は貝と廾(きょう)の象形で供えることを意味する。
廾は両手の形。
ただこの両手の象形は三本指である。
手そのものの象形は、5本指。
神事に関わる人の指が三本だったと推測される。

右手の形「又(ゆう)」、左手の形「左」
どちらも神事に関わる語源だが、この象形も三本指。
何故、三本指か。
これは正中神経麻痺の症状「祈祷手」と関係するのではないだろうか。

祈祷手は肘周囲で障害される回内筋症候群(正中神経高位麻痺)でみられる。
祈祷手は、屈曲障害が特徴的で、拳を握ろうとしても環指と小指しか屈曲しない。
スポーツでは、テニスやボーリング、野球など上肢を使う競技でよく見られる。
古代には無いスポーツだが、当てはまるのは、船乗り。
船を漕ぐため、酷使する。
三本指は、曲げられない指を象徴している。
(フレミングの三本の指のイメージ)
それ故に、数える単位が三になる。
海人族の習俗が、儀礼になったのだと思う。


廾(両手)がもつのは、貝とされるが象形としては目である。
竹には節目があり、上下に節目があれば、筒になり竹筒になる。水を入れる道具。海人族の航海に使用された。
これが柄杓となり、枡になる。

マス目の誕生。目は囲まれ、枠をもった。
これが計算の歴史を変えた出来事だったと思う。
算盤。
目は、一枠に目盛りが二つある象形。
一枠は三つに刻まれ、三マスになる。三が3つで
9が誕生する。


筭は算木をもつ象形だが、目でなく王(玉)をもつ。
弄は呪具だが玩具とされる。
私にはこの形が、骨に見える。
算木は「長さ6寸、歴數を計ふる者なり」とある
長さ6寸、すなわち18.181cm=1咫

ハクジラの頚骨(首の骨)は年齢により0から7個融合している。
つまり、頚骨から年齢がわかるー歴數がわかる。
子供のおもちゃとして利用され、後に鯨の到来を神に計った。6目の誕生である。
サイコロが6目になったのは、鯨の頚骨から始まった。
おそらく1咫の長さだった。
それは神の単位となった。

亀の甲羅も鹿の肩甲骨もト占に使われていたが、元来、生活道具であったと思う。
煮炊きの鍋や皿になる。
火にかけて、ヒビが入った。
使えなくなったが、もったいないから他の用途に使った。
ただそれだけが、ルーツを知らない人間に形式化された。
鯨の頚骨は転がす玩具。
サッカーは人の頭をボールにしてはじまった。
鯨の頚骨も同様に使用されたものが、神になっていく。
それはもはや形が変わり過ぎ、原型すらわからなくなった。

鹿の距骨は、四面体であるがこれもサイコロとして用いられたそうだ。

規矩である工をもつ祝祷の儀礼を行うものが巫。
工とHと縦横にした形が巫の象形。
工は、鹿の距骨だろう。
つまり2個のサイコロを振る、
東西南北を二つ振る。八方が定まる。
八方占いの形と考えられる。
規矩は、計る道具だが、神の意志を計った。

こうして、身近な道具から生まれた計り事は、9理の月と10理の太陽が出会い、北極星や星々の導きにより飛躍的な発展を遂げた。















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