三菱一号館美術館を巡って(東京都・千代田区丸の内)
<訪ねた日>
2020年6月24日
<美術館紹介>
丸の内の再開発で2009年に誕生した「丸の内ブリックスクエア」に開館した。19世紀の近代美術を中心とする美術館で19世紀末の美術品を収蔵しており、ロートレック作品を多く所蔵することからフランス・アルビ市のトゥールーズ=ロートレック美術館と姉妹館提携を行っています。
天気はあんまりよくなかったですね。
常設展はなく、企画展のみでややこじんまりしていますが、丸の内に文化の香りをもたらした偉大な存在と言えますね。ちなみに美術館のある場所は旧三菱一号館で、1894年に英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計されたました。時は流れて、老朽化のために1968年に解体。それから時を経てコンドル氏の原設計に則って復元されました。内覧会にも呼んでいただいたのですが、明治時代の建物のような風合いを出すのに苦労したようです。
重厚感溢れる大理石。 アール・デコ装飾を楽しめます。
<展示に関して>
開館10年目を迎えた記念の企画展として「画家が見たことも」展が開催されていました。19世紀末パリの前衛芸術家グループ「ナビ派」の画家たちが追求した親密なテーマの中から「子ども」に焦点をあて、都市生活や近代芸術と「子ども」との関係を検証しています。ナビ派(19世紀末のパリで活躍した、印象派に続く世代の芸術家グループ)の画家達は、ポール・ゴーガンを師と仰ぎ、奥行きを拝した平面的な構成、力強い色彩といった、単純化された素朴な表現に強い影響を受けています。フランス、ル・カネのボナール美術館の全面協力のもと、国内外の美術館および当館の所蔵品から、ボナール、ヴァロットン、ドニ、ヴュイヤールらナビ派を中心とした油彩・版画・素描・挿絵本・写真等約100点により展覧されていました。ボナールが好きだったので、満喫できました。
スイスの画家ヴァロットン氏の版画は撮影が可能でした。都市生活の風景に現れる「こども」は、まさに近代生活の総合的な体現者でした。子供達の天使のような可愛らしさ、優しさだけでなく、力強い生命力、そして小悪魔のような辛辣な側面をも描き出していました。
ここで写真が撮れるパネルです。こちらもヴァロットン氏の作品でした。余裕をもって入場制限なさっているのでしょうか、予約制の他の美術館に比べて、はるかに少人数で、まるで美術館を独り占めしているようでした。
<売店に関して>
展覧会グッズや世界中から集めた上質でオーセンティックな商品が並んでいます。鑑賞しなくても売店だけの利用も可。どこの美術館でも買ってしまう絵葉書は少なかったので買いませんでした。
<カフェに関して>
二層吹き抜けの開放感あるフロアが印象的なカフェが美術館に併設されていました。
待つことなくゆったりいただけたのは初めてです。子供の頃を思い出させるこの展覧会後は、「大人が食べたいお子さまランチ」もありました。私はドニの『赤いエプロンを着た子供』を、イメージしたパンケーキ頂きました。
文学賞候補を読んで感想を書いていきます。今後の本選びの参考にしていただけると嬉しいです