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好きな人の前では..

人間は、好きな人の前ではいい人でありたいと思う心理に対して、妙に納得する。

というのも...

以前勤めていた職場のお局さまの話。

お局さまは、私と二人きりで話すときは優しく接してくれるが、男性が一緒にいると一転して厳しい言葉を投げかけてくる。私よりも上の立場にいることを見せつけるかのような。

二人きりのときは、私の失敗を気にかけて「担当者とは難しい関係だね」等と慰めてくれたのに..

男性がいると「私なら〇〇するけどね!早く〇〇しなかったからだよね。」「怠慢だよね!」と言葉は鋭く、唖然とするほどだ。

男性の前と女性の前では態度がかなり違う。私の方が上なのよ!を繰り返す。

何度も悲しくなった。私のことはまるで踏み台。

しかし!

お局さまとお局さまの目がハートな男性、そして私の三人になると、態度は妙に優しくなる。何気ない会話で私に話を振ってくれることもある。

男性の好意をお局さまも感じ取っているようで、少なからず共感している様子だ。恋心というものは、歳を重ねるごとに輝きを増していくのだなと、私は思う。50代の秘めた恋、素敵やないか。

この方が職場によく来てくだされば..!この職場は平和なんじゃないかと、心の中で思っていた。お局さまは、お酒の席で酔っ払うと男性とベタベタするのを結構見かけた。しかし、次の日にはだいたい覚えていない。何とも人間らしいチャーミングさを感じた。

好きな人の前ではいい人でいたい心理、嫌というほど実感した。

その後の二人は知らないけれど。

私も少なからずそうなんだろう。

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