久しぶりに
随分長い間,ツイッターもノートも書かずにいた.
今日は当直,妙に落ち着いている.
そして最近にしてはめずらしく,妻と息子の写真を見つめていた.
理由などないと思う.あるとすれば,歯科健診のために家族で住んだ街にいったことか.家の前はわざわざ通らなかったが.
良い機会だから,最近のことを少し書くことにする.
この秋には,大学生ぶりの試験勉強をして,自分の分野の専門を名乗るための資格を取った.この数年の,少なくとも仕事に関しては最も大事な目標で,妻も応援してくれたものだった.
そして医師になってから今まで所属した組織をやめることを決めた.その資格をもって,新たな場所で働くことにした.
自分にしては思い切ったことのようだが,もともと大事なことほど時間をかけずに決める性格であったようにも思う.
だから予定通りなら,来年は変化がある年ということになるのだろう.
おそれてはいない.不安など,取るに足らない.
愛する人を失うことより大きいものなどないのだから.
変化に,その気配に気を取られ,妻と息子のことを思う時間が減ったことは否定できない.一年前のこの時期よりよほどつらくない.
それでもなぜか今日は思うのだ.
あんなにも笑顔であたたかくて自分の中心であった人が,もう骨と灰だけであることが不思議だと.
写真をみつめれば,シャッターを押したそのときの記憶が,少し褪せてしまっているけれど,今はまだ蘇る.
妻と出会った時のことを思い出す.
大学生の僕.晴れた夏の日. 白い肌が,茶色い瞳が,大きな口が,柔らかい声が,その笑顔が,僅かな陰が,只々美しく,僕はみつけた.
恒久的に煌めいて,決定的に取り戻せない時間の始まりの
この記憶すらも,時間が薄れさせるのだろうが.
もうじき妻と付き合い始めて7年を迎える. クリスマスも7回目だ.
出かけた場所,あの空,あの店はまだあるのだろうか.
言葉ただ一つも忘れたくない.
見つけてくれてありがとう と
言ってくれたのは妻で,言いたかったのは僕の方だ.
記憶の形が変わることを許容しつつも残しておくために書き始めた.
それを思い出した.
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