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【グラジオラスの花束 〜油を注せ!〜「武元唯衣編」】4話


「あ、おつかれっす」
「橋本くんもおつかれ〜」
「うっす、休憩すか?」
「うん、そっちは上がり?」
「っすね。あ、そういえばツインテール珍しいっすね」
「違うよこれはおさげって言うんだよ」
「へ〜よくわかんないっすね」
「難しいよね笑」
「今度の文化祭来るんすか?」
「うん、妹が居るから遊びに行くよ」
「じゃあ妹さんと回る感じすか?」
「いや、それが今年はなんかカフェやるらしくてあんまり回れないんだって〜」
「そうすか......」
「だからどうしようかなって」
「.......俺と一緒に回りませんか?」
「.......え?」
「俺も特に誰かと回るとかはないんで....と思ったんすけど」
「いいよ!武元先輩が一緒に回ってあげよう!」
「いや、別に武元さんが可哀想だなって思っただけで....」
「素直になりなよ〜笑  唯衣と回りたかったんでしょ〜?」
「........まぁはい」
「え......?」
「なんすか?やっぱり嫌でした?」
「.......嫌....じゃないです」
「ふっ笑  武元さんだって実は俺と回りたかったんじゃないすか?笑」
「うるさい!笑」
「じゃあお疲れっす」
「うん、また連絡するね〜」
「っす」

ーーーーーーーーーーー

『唯衣〜そろそろ上がっても大丈夫だよ〜』
「じゃあ上がりま〜す」
『おつかれ〜ありがとね〜』

ライン📱
[唯衣、今週末空いてる?]

「響介.....」

[どうして?]
[そっち帰れそうだから]
[そっか.....]


[でもごめん......予定があって]
[あー.....おっけー分かった]
[ごめん.....]
[いや大丈夫]

「この感じ.....やっぱり別れ話だよなぁ」
「武元さんどうしました?」
「え!?橋本くん!?」
「おつかれっす」
「なんで?」
「いや、友達と飯行ってたんすけど早めに終わって丁度武元さんの上がり時間だったんで送ってあげようかと」
「唯衣も丁度良かった」
「え、もしかして俺のことタクシーだと思ってます?」
「違うよ!笑  ......見て」
「......明石さんすか」
「まぁ......うん」
「......ほう」
「......たぶんこの後別れ話されるかもだから誰かに居てほしくて」
「奇遇っすね。俺も誰かと居たかったんすよ。」
「嘘つけ笑」
「ホントっす」
「ありがとね.....」
「一旦乗って下さい。適当に走るんで」

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