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【グラジオラスの花束 〜心の影絵〜「山下瞳月編」】2話


「もちろん進学するよ」

今日で先輩と会えなくなる.....。

「どこですか?一緒のところ行きたいので教えてください!」
「山下はやりたいことないの?笑」
「ん〜特には」
「そう....自分がやりたいことができる大学の方がいいと思うけど....笑」
「先輩は真面目すぎるんですよ!みんな進学の理由なんてなんとなくですよ」
「山下の場合不純な理由じゃん笑」
「なんでですか!好きな人と一緒のところが良いじゃないですか!」
「.......好き.....か」
「付き合う気になってくれました?」
「🙂」
「また黙り込んでズルい人ですね......そんなところも好きですけど」
「.....山下はさ、自分のどこが好きなの?」
「そりゃあ優しいところと、いつも気にかけてくれるところと、気にしてないフリして実はちゃんと見てくれてるところとかあとは」
「分かった分かった!笑」
「なんでですか!もっと言いたいです!」
「胸が苦しいから.....笑」
「え....また遠回しに振られました?」
「うん、そうだね笑」
「も〜.....傷つきました」
「ごめんよ笑」
「お詫びに連絡先教えてください」
「......え?」
「だって卒業しちゃったらこうやって会えないじゃないですか」
「.......」
「やっぱり嫌....ですか......?」
「....ちょっとだけ待ってくれる?」
「はい....?」
「いや、そろそろ覚悟決める時かと思ってね」
「.....嫌です」
「.....待っててよ」
「分かりました....じゃあその時は先輩から聞いてきてください」
「え?」
「ほら早く行かないと藤吉さん帰っちゃいますよ!」

いつもにこにこしてる先輩の初めて見る真剣な顔を見ていつものように止められなかった。


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[せんぱ〜い!テスト終わりました!褒めてください!]
[おつかれ〜偉いよ〜]
[今日、遊びに行ってもいいですか?]
[まだ布団とテレビしかないよ?]
[しーがSwitch持っていくのでマリカしましょ!]
[お〜いいね]
[すぐ行きます!]
[分かった]

「先輩!」
「うわっびっくりした!」
「会いたかったです〜!!」
「先週も会ったじゃん笑」
「毎日会いたいです」
「分かったから一旦離れて花粉がクシュンッ」
「あ、ごめんなさい花粉症だったんですか?」
「なんか今年からなったっぽいクシュンッ」
「可愛い笑」
「なんで?笑」
「あ、そういえば先輩が好きな渚のロールケーキ買ってきましたよ....じゃ〜ん」
「お!やるじゃん瞳月〜」
「........え?」
「どうした?」
「今......なんて言いました?」
「瞳月....?」
「うわあああああああなななななななんですか急に!!!」
「いやいつまでも上の名前じゃあれかと思って」
「心臓に悪いです!!!!!倒れそう....」
「ちょっとちょっと!ちゃんと立ってよ!笑」
「支えてくれないと立てないです....陽さん」
「ふふ笑 どうせなら呼び捨てがいいな🙂」
「無理.....ショートしそう.....」
「もう.....笑」

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