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【グラジオラスの花束 〜何度LOVE SONGの歌詞を読み返しただろう〜「村山美羽編」】2話


「今日はもう終わり〜、金曜日だからってはしゃぐなよー、先生呼び出されるの嫌だからなー」
「じゃあお先」
「ちょっと何帰ろうとしてんの」
「あー.....くそ、無理だったか.....」
「何してんの案内して」
「なぎ〜助けてくれ〜」
「だからバイト入れたって笑  2人で行ってきな」
「小島さん、頑張ってね」
「ありがと、また来週!」
「ほら早くして」
「も〜.....何から見たい?」
「何があるか知らない」
「スポーツやってた?」
「ダンスなら」
「ダンス.......あ、ちょうどダンス部あるわ」
「見に行きたい」
「はいはい」
「遠いの?」
「ここからだとちょっとね。講堂でやってるはずだから.....あ、そういえばなぎの友達居ると思う」
「なんて名前?」
「山下瞳月」
「どんな子?」
「ん〜.......なんかちっちゃいやつ」
「ふ〜ん.....可愛い?」
「気になる?」
「なんとなく」
「可愛いんじゃない?パートナー居るし」
「パートナー?」
「あぁ僕、あんまり彼氏とか彼女とか呼ぶの嫌いなんだよね。今の時代性別なんて関係ないじゃん」
「たしかに」
「だからパートナー」
「沢村くんはどうなの?」
「普通に女子が好きだよ」
「好きな人居るの?」
「居ないよ」
「そっか」
「着いた.....やってるかな」
「......」
「あ、山下居た」
「どこ?」
「真ん中の右」
「......あの子か......あ、手振ってる」
「👋」
タッタッタッタ
「あれ?今日なぎとカフェ行くんじゃなかったの?」
「いや、なんか村山が部活紹介しろって」
「なぎにちゃんと言ってるよね?」
「言ってます〜」
「ほんとか?あ、どもC組の山下瞳月です」
「A組の村山美羽です」
「転校生....だよね?」
「うん」
「ダンスしてたの?」
「ちょっとなら」
「これからもうちょっと見て回ると思うけど、もし入るなら全然歓迎だから」
「ありがとう」
「沢村くんちゃんと案内してよ?」
「してますけど」
「ごめんね美羽ちゃん、一応良い奴ではあるから」
「一応ってなんだよ」
「うん笑  ありがと」
「じゃあ戻るね」
「可愛い子だね」
「そうかな?次はどこ行く?」
「小島さんって何部?」
「テニスだけど今日は女子は休みのはず....男子の方はやってるけど見に行く?」
「じゃあそれで」
「ついでにバスケとバレーも見れるかも」


ーーーーーーーーーーー


「今のところどう?」
「ん〜.....ダンス部かなぁ」
「山下居るし経験あるなら無難かも」
「そういえば沢村くんは何部?」
「軽音部だけどほぼ帰宅部だから」
「そっか....何弾くの?」
「ギターをちょっとだけ」
「へぇ....見てみたいな」
「コードしか弾けないから面白くないよ」
「そう?今度見せてよ」
「気が向いたらね」
「じゃあ先生に提出してくる」
「うん」
「今日も一緒に帰ってもいい?」
「別にいいけど」
「じゃあ待っててね」
「いや一緒に行った方が早いでしょ」
「.....たしかに」
「.....もしかして村山ってバカだったりする?」
「あーあ、今日のお礼にアイス買ってあげようと思ったのにやーめた」
「あ〜うそうそ村山の事、天才だと思ってた」
「いや無理でしょ」
「無理か」
「うそ、買ってあげる。いっつも何食べるの?」
「いつもミルク系だね」
「ミルク系か」
「村山は?」
「私最近焼き芋のやつハマってる。おイモ好きなんだ〜」
「たしか今朝学校の近くのコンビニで安納芋ミルクみたいなアイスあった気がする」
「あ、それ私も気になってたやつ」
「それにしよ」
「たまたま2人が好きなやつの組み合わせだね笑」
「たしかに笑」

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