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【グラジオラスの花束 〜真夏に何か起きるのかしら〜「小島凪紗」】9話



「結冬から連絡あった?」

結冬と美羽と連絡がつかない為、結冬の姉の唯衣ちゃんと唯衣ちゃんのバイト先の後輩橋本さんと一緒に回ることに。

「ううん.....」
「結冬って武元さんの弟くんでしたっけ?」
「そうだよ〜」
「似てるんすか?」
「う〜ん.....どうなぎ?」
「似てない....ですかね笑」
「へ〜あ、いいっすよ別にタメ口でも片方タメ口、片方敬語ってしんどくないすか?」
「一応先輩なので....笑」
「そうっすけど」
「いいよいいよタメ口で!尊敬するとこないし!」
「ひどっ」
「笑笑」
「席どうする?」
「.....あ、あそこ3連で空いてるっすよ」
「橋本くん走って!」
「嫌っすよ疲れんで」
「なぎ行ってこい!......なぎ?」
「おーい!こっちこっち〜!」
「早っ!?」
「小島さんって確かテニス部なのに学年で最速なんすよ」
「そうだったん!?」
「勉強もスポーツもできてオマケに可愛いってんで3年の中でも有名なんすよ」
「さっきのってそういうこと?」
「っすね」
「いつの間にこんな成長して.....🥺」
「なんで泣いてんの唯衣ちゃん笑」
「なぎの成長を感じてる.....」
「なにそれ笑」
「始まるっすよ」

『Ladies & Gentleman!今宵は我が王国へようk』
『いやいややめてください。今日の公演は普通の恋愛ストーリーですから』
『あれ?今日は我が王国の茶会を一部始終お送りするっていう舞台だって』
『なんですかそのつまんないの。てかこのくだり朝もやってるんでお客さん飽きてますって』
『ええい!うるさい!午後は我が王国の話をするのj』
『あーあんな所で姫がカエルにさせられて盆踊りさせられてるー』
『え、どゆ状況』
『うわー魔王に食べられそー』
『まずいではないか!!』
『それではご覧下さい。「無言の宇宙」』

「ちょっとほんとに楽しそうじゃん」
「っすよね」
「ね、なぎ」
「うん笑  カエル笑笑」
「そこ?笑」

ーーーーーーーーーーー

『渚!!』
『優人......!』
『こうして彼らは永遠の愛によって結ばれたのである。』
『優人〜何してるの?朝ごはんできたよ』
『おーっとどうやら私も時間のようだね。それでは皆さんごきげんよう』
『何言ってんの早くご飯食べなよ。私はおチビちゃんたち起こすから』
『今行くよ〜』

パチパチパチパチ👏

「まさかの主人公たちの名前が『なぎさ』と『ゆうと』だなんてね」
「........」
「........あ、もしかしてそういう」
「違います!!」
「私はなぎだったら歓迎よ?笑」
「違うからぁ〜......え」

皆が拍手なり感動の涙なり流してる中、視線の先に見えたそれはそれらの感情を引っ括めてゴミ箱へ投げ捨てた。

講堂の1番奥の席の暗闇。






そこには口付けを交わす結冬と美羽が居た。

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