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【グラジオラスの花束 〜無言の宇宙〜「上村莉菜編」】1話


「亮くん、おはよ〜」
「おはよう莉菜」
「今日は亮くんの好きな鮭だよ」
「よっしゃ〜今日も1日頑張れる」
「ほんとに〜?笑」
「ほんと!」
「いつも言ってるじゃん笑」
「だってほんとに美味しいもん!」
「えへへ笑 ありがと」
「今日、明日の仕込みで夜遅くなるから先寝ててもいいからね」
「明日新作の発売日だっけ?」
「うん!『渚ッツォ』の発売日」
「結局、『渚ッツォ』にしたんだ笑」
「うん笑 莉菜が付けてくれたからね」
「いいの?自分で言うのもあれだけどダサくない?笑」
「そんなことない!笑」
「じゃあ先に行ってくるね」
「うん!行ってらっしゃい!」


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「莉菜さん莉菜さん、この子どうでした?」
「最近あんまり元気なくて...注視しといた方が良いかも」
「たしかに.....この前○○くんと喧嘩しちゃって.....」
「あら〜.....親御さん何も言ってなかった?」
「はい!両者とも笑ってました」
「あ、そっか.....あそこの家族って仲良いんだっけ?」
「みたいですね!」
「ならいいけど.....あ、そういえば保乃ちゃんこの前コケたって言ってたよね?傷大丈夫?」
「はい!もうめっちゃ痛くて!まだ傷残ってますよ〜🥺」
「どこで転けたの〜?」
「南櫻丘駅の近くのカフェ前です〜」
「え!?ほのちゃん南櫻丘なの!?」
「はい!あれ、そういえばこの話してなかったですね」
「え、もしかしてそのカフェって『渚』?」
「え、はい!そこの店長がめちゃくちゃイケメンで!!!」
「ありがとう笑」
「ありがとう?」
「あれうちの旦那です、笑」
「.........えぇ!!!!???」
「びっくりした!大きい声出さんでよ!笑」
「うっそ.....莉菜さんご結婚されてたんですね....」
「指輪とかしてないから分かんないよね〜」
「まじか〜結構タイプでした....笑」
「私にそれ言うの?笑笑  正直だね笑笑」
「応援してます!笑」

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「ただいま〜」
「おかえり〜」
「まだ起きてたんだ」
「ちょうど寝ようとしてたところ」
「そっかそっか」
「どうだった?『渚ッツォ』の初日売れ行き」
「いい感じだった〜女子高生がみんな買ってってくれて今日は100個以上売れたよ」
「えー!凄いじゃん!」
「莉菜は?今日も子供たち元気だった?」
「うん!相変わらずポコポコ殴られてる笑」
「そっか笑笑」
「あ、そういえば渚で転んだ人居た?」
「ん〜.....あ、ちょっと前に居た。お店の前でだけど」
「やっぱり!その子うちに異動してきた保乃ちゃんって子かも」
「あ!たしかに保育士さんで春からこっちに異動して来たって言ってた!」
「転んだの大丈夫だった?」
「うん、結構派手に転んでた笑」
「あの子たまに保育園でもつまづいてる笑」
「そうなの?笑」
「うん、でもそれが可愛いんだよね」
「たしかに可愛らしい子だった〜」
「亮くん」
「ん?」
「....🙂」
「大丈夫だって笑  莉菜しか見てないから」
「知ってる🙂」

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