【グラジオラスの花束 〜油を注せ!〜「武元唯衣編」】2話
友哉とご飯に来た唯衣は、ヤケになってお酒に溺れてしまった。
「武元さん、飲みすぎですって」
「知るかぁ〜響介がわるいんだろぉ〜」
「ほら終電遅れるっすよ」
「やだぁ!帰らないぞ今日はぁ」
「ちょっと.....」
「わぁ〜猫さんだぁ〜」
「それゴミ袋ですって」
「うっ.....吐きそう.....」
「一旦水飲んでください」
「.....開かん」
「も〜.....めんどくさいな」
「めんどくさいとか言うなぁ.....泣いてもいいんかぁ?」
「さっきまでギャンギャン泣いてたじゃないすか」
「うるさ〜い」
「うわもう、武元さんが飲みすぎるから終電ないじゃないすか」
「タクシーとかあるだろぉ」
「じゃあ住所教えてください」
「住所.....?忘れたぁ」
「えぇじゃあ無理っすよ」
「.....zzZ」
「ちょっと武元さん!寝んといてくだ.....
私が思い出せる記憶はそこまでだった。
「頭痛たぁ.....ん?」
見慣れないピンクの天井が見えて、周りを見渡す。
ここどこ.....?
「えぇ!!?」
「びっくりした.....」
身体を起こすと、座ってスマホをいじる橋本くんと目が合う。
「橋本くん!!?」
「寝れました?」
「ちょ.....え!?どゆこと!?」
咄嗟に布団に包まり、徐々に状況を理解していく。
「あ、安心してください何もしてないので」
「.....ほんとに?」
「っす.....ちゃんと床で寝てたんで」
「え.....ごめん」
「いや、別に」
「え、ほんとにごめん」
「あー.....そっすね、ハーゲンダッツ良いすか?」
「喜んで買わせてください」
「あざっす」
冷静すぎるくらいの橋本くんに戸惑う。
「.....ほんとに何もしてない?」
「襲ってた方が良かったっすか?」
「いや.....分かった.....信じる」
「.....痛たたた」
「え?腰、大丈夫?」
「大丈夫じゃないけど大丈夫っす」
「えぇ.....ごめん.....」
「ハーゲンダッツ奢ってもらえるんで」
「アソートの方買うね.....」
「まじすか、儲け〜」
「えーっと.....」
「あれだったらチェックアウトまで時間あるんでシャワーでも浴びてください。俺、先出るんで」
「でも.....」
「大丈夫っす、ここオートロックなんで1回出たらそこのキーが無いと入れないんで.....じゃ」
「ちょっと橋本くん!!」
.....まじか。
やらかした.....。
え、いらん事言ってない...よね?
.....良かった服着てる.....。
うわぁ.....次、気まずいなぁ.....。
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