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【グラジオラスの花束 〜恋は向いてない〜「藤吉夏鈴」】2話

「藤吉〜」
「来ないかと思った」

今日も今日とて屋上でのんびりしていた。

「ちょっと話してた」
「そう」
「.....卒業ですね」
「卒業です...ね?」
「春ですね」
「.....春ですね」
「お花見しませんか?」
「やめておきます」
「じゃあ卒業旅行でもしませんか?」
「やめておきます」
「なら結婚してくれませんか?」
「まず付き合ってもないです」
「じゃあ付き合いましょう」
「グイグイ来る人は嫌です」
「.....グイグイ行くの止めるので付き合って下さい」
「まだグイグイ来てるのでやめておきます」
「結局ダメなんじゃん笑」
「笑笑」

いつの間にか無言が続いても、幸村が気を遣って話しかけてくることはなくなった。

「.....そういえば受験どうだった?」
「普通に合格したよ」
「おー!良かったね」
「なんで幸村は推薦なの.....😑」
「こう見えて自分、頭は良いんだ笑」
「うるさいなぁ.....笑」
「笑笑」
「.....ねぇそろそろどこの大学行くか教えてよ」
「え〜教えないよ」
「もう受かったんだから良いじゃん.....なんで大学どこ行くか教えてくれなかったの?」
「え?.....だって知らずに被った方が運命感じるじゃん」

そんなの.....。

「.....知ってたら一緒の大学にしたのに」

ちょうどチャイムが鳴る。

「ん?なんて?」
「なんでもない」
「なんだよ〜、一緒の大学に行きたかったとか?笑」
「違う」
「なんだよ〜気になるじゃ〜ん」
「気になるのは私の方なんだけど」
「笑笑 入学式を楽しみにしようよ🙂」

あれから何度か春休み中に連絡しようと思ったけど、そもそも連絡先を聞いてなかったことに気付いて過去の自分を怨んだ。














いいや、違う。






聞けなかったんだ。

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