【グラジオラスの花束 〜何度LOVE SONGの歌詞を読み返しただろう〜｢村山美羽｣】8話

｢1番奥の席行こう｣

なぎが休憩に入るまで2人で文化祭回ることにした私たち。

｢ちょうど空いてる｣
｢なんで急に演劇部の舞台？｣
｢ふふ......教えてあげない｣
｢なんだそれ｣

『Ladies & Gentleman！今宵は我が王国へようk』
『いやいややめてください。今日の公演は普通の恋愛ストーリーですから』

｢沢村くんは好きな人とか居る？｣
｢.....居ないけどなんで？｣
｢別に？気になっただけ｣
｢そういう村山は？｣
｢ん〜....居るよ｣
｢ふ〜ん｣
｢気になるんだ｣
｢まぁ一応｣
｢教えないけどね｣
｢なんだよ笑｣
｢この舞台、最初から最後まで観ると恋が叶うっていう噂があるんだよ｣
｢そんなのあったんだ｣
｢知らなかったの？｣
｢うん｣
｢.....絶対叶えたいんだぁ｣
｢.....そっか｣

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『おーっとどうやら私も時間のようだね。それでは皆さんごきげんよう』
『何言ってんの早くご飯食べなよ。私はおチビちゃんたち起こすから』
『今行くよ〜』

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ👏

｢まじかよ.....まさかの主人公がユウトでヒロインがナギサかよ......｣
｢........｣
｢村山？｣
｢........んあ｣
｢寝てたの？笑｣
｢.....寝てない寝てない｣
｢寝てたじゃん笑  どこまで観た？｣
｢.....主人公とヒロインがカフェに居るシーン｣
｢めっちゃ序盤じゃん｣
｢今日が楽しみすぎて昨日寝れなくて.....｣
｢大丈夫か？｣
｢うん、今寝れた｣
｢良かった.....良かった？｣
｢主人公とヒロインの名前なんだっけ？｣
｢ユウトとナギサ｣
｢気まず｣
｢気まず｣
｢寂しかった｣
｢俺に言われても....笑  しかも最後子供とか居るし....笑｣
｢笑笑  現実でもそうなるのかな.....(小声)｣
｢なんか言った？｣
｢ううん.....沢村くんここなんか付いてる｣
｢ん？.....どこ？｣
｢取ったげる...こっち寄って｣
｢.....取れた？｣
｢取れた｣
｢.....なにこれ｣
｢.....なにこれ笑｣
｢さっきのポテトの塩？｣
｢.....｣
｢ちょっと｣
｢.....塩だ｣
｢塩か｣
｢......zzZ｣
｢お、おい！大丈夫か？｣
｢あぶな.....また寝てた｣
｢この後のダンス大丈夫？｣
｢昔はよくあることだったから大丈夫｣
｢なら時間まで寝とく？肩貸すから｣
｢膝貸して｣
｢いいけど｣
｢おやすみ｣
｢おやすみ｣
｢......zzZ｣
｢......それにしてもなぎ遅いな｣