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【グラジオラスの花束 〜心の影絵〜「山下瞳月編」】4話


「ねぇねぇ陽」
「どうした?」
「メガネ、しーに似合うかな」
「なんで?笑」
「なんか陽のメガネいいなぁって笑」
「これ?笑  かけてみる?数秒なら問題ないから」
「.......うわっ度すごっ!」
「笑笑」
「どう?似合う?」
「うん可愛い」
「そうかな笑......はい」
「目悪いの?」
「うん、最近ちょっとだけ見えづらくて」
「勉強のしすぎなんじゃない?笑」
「ゲームじゃなくて?笑」
「うん笑  あ、じゃあレンタカーでも借りてどこか行く?」
「え!?免許取ったの?」
「じゃーん!実は取りました〜!」
「いつの間に!」
「先週のしーがテスト期間中に取ったんだ〜」
「大人だ......笑」
「どこ行きたい?」
「ん〜....ラーメン食べに行きたい!」
「いいね〜あっ!そういえばバイト先の近くに美味しいって噂のラーメン屋があるよ」
「じゃあそこがいい!」
「わかった〜」

ーーーーーーーーーーー

「よ〜し出発!」
「ごー!」
「笑笑」
「なんか曲とかかける?」
「お願いしてもいい?しーのプレイリスト知りたい」
「いいよ〜......こうかな.....できた」
「.....元気な曲だね.....なんて曲?」
「しーが推してる『櫻坂46』の『夏の近道』っていう曲!最近映画の主題歌になったんだ〜」
「あ、その映画知ってるかも」
「え!知ってる?」
「うん、バイト先の人が主演の子が可愛いって話してた」
「谷口愛季ちゃん?」
「あ、『あいり』って読むんだ!『あいき』だと思ってた」
「季節の『季』だからね笑  その子、しーと同い年なんだけど初主演映画で既に賞が確定してるらしくてすごい子なんだ〜」
「へ〜瞳月だってダンスで雑誌とか載ってたりするじゃん」
「私なんか全然だよ.....」
「それでも凄いことだと思うけど」
「ありがとね笑」
「そんな子が彼女で誇らしい!」
「えへへ笑」
「あ、コンビニで飲み物買ってもいい?」
「うん、いいよ〜」
「しーも何かいる?」
「一緒に行く!」

ーーーーーーーーーーー

「そろそろ着くよ〜」
「.....寝そうだった笑」
「心地良い運転でしたか?お嬢様」
「苦しゅうなくてよ笑」
「それはそれは恐れ入ります」
「笑笑」
「よし、行こっか」

『いらっしゃい!何名様ですか?』
「2人です」
『2名様ですね!テーブル席どうぞ!』
「ありがとうございます」
『ご注文お決まりでしたらお呼びください!』
「しー何にする?」
「このお店のおすすめってなんだろう.....」
「バイト先の人達は魚介豚骨が美味しいって言ってる」
『そうですね!うちは魚介豚骨が1番自信あります!』
「へ〜じゃあそれにしようかな」
「自分もそれにしよっと」
「すみませ〜ん」
『は〜い!ただいま!』
「魚介豚骨を2人前で」
『麺の硬さどうします?』
「何がありますか?」
『やわ&普通&かた&バリカタですね』
「しーはやわで」
「自分はバリカタで」
『やわとバリカタですね〜....ほかご注文ありますか?』
「瞳月、餃子とかあるよ」
「せっかくだし、それも頼もっか」
『餃子ですね〜....ご注文は以上で?』
「はい大丈夫です」
「かしこまりましたー!」
「店員さん元気だけど意外と落ち着いたお店だね」
「ね!バイト先の人たちも過ごしやすいって話してる」
「バイトどう?」
「楽しいよ」
「今ってなんのバイトだっけ?」
「大学の近くの本屋と....あとは単発かな」
「本屋さんって大変?」
「ううん。今はあんまり忙しくない」
「そっかぁ」
「瞳月も何かバイトしたりしないの?」
「今のうちから勉強してないと陽と一緒の大学行けない」
「1回模試してみたら?その点次第で余裕できたりしないかな」
「......たしかに」
「......え?もしかして模試の存在忘れてた?」
「うん.....笑」
「マジか.....笑」
「帰ったらやろっかな」
「いや、ダメ」
「え?」
「今日はこの後、雑貨屋さんに寄ったり、水族館行ったりしよう」
「でも.....」
「今日は息抜きする日でしょ?」
「.....分かった!」
「明日、1日付き合うからさ」
「ありがとう.....」

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