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【グラジオラスの花束 〜真夏に何か起きるのかしら〜「小島凪紗」】15話



凪紗と結冬と美羽は泊まりのための荷物を持って、スイーツカフェ「渚」に行く前に大型商業施設「キルシュバオム」へ向かっていた。

「あ〜.....涼しい.....」
「生き返る〜」
「ね〜」
「で?なんで『キルシュ』に?」
「そりゃ色々準備するために決まってんじゃん」
「だから準備ってなんだよ」
「ねぇねぇアイス食べたい」
「村山がアイス食べたいって〜」
「聞こえてるよ笑」
「僕も食べたーい」
「ねぇ.....子供?」
「まま〜」
「まま〜」
「もう!別にいいけど!」

3人はアイスクリーム屋さんに向かった。

「村山、さつまいも味あるよ」
「え?どこ?」
「さつまいも好きなの?」
「うん好き」

知らなかった.....。
結冬は知ってるのに.....。

「なぎはミルク系だよね?」
「うん」
「沢村くんもミルク系?」
「いや、なぎが居る時は他の味にしてる。なぎ何食べたい?」
「ん〜.....」
「.....え、じゃあ私もシェアしたい」
「いいよ」
「え〜美羽何食べたいとかある?」
「マンゴー気になるかも」
「結冬、マンゴーでもいい?」
「うん大丈夫。すみません」
『いらっしゃいませ!』

結冬が注文してる間、美羽と近くのテーブルに座っていた。

「なぎ」
「なに〜?」
「ふふ.....今日も可愛いね」
「え?口説かれてる?笑」
「口説いてる笑」
「.....美羽ってさ」
「なぎ〜村山〜」

結冬が手招きで呼ぶので、2人は向かった。

「これ村山ので.....これがなぎの」
「ありがと〜!」
「ありがとう」
「うぃ〜」
「なぎ、さっきなんて?」
「なんだっけ.....忘れちゃった笑」
「気になるじゃん」

3人で仲良く食べて、モール内を歩いていた。

「あ、これ可愛い」

通りがかった眼鏡屋さんで美羽はメガネを手に取っていた。

「美羽、メガネ似合いそう!」
「.....どう?」
「可愛いすぎる.....」
「沢村くん」
「ん?」
「どう?」
「似合ってるけど」
「ほんとに?」
「うん、可愛い」
「.....買っちゃおっかな」
「結冬、私は私は〜?」
「なぎは家でずっとメガネじゃん」
「そうだけどさぁ」
「なぎは可愛いって言われたかったんだよね〜?可愛いね〜」

美羽に私のほっぺを挟まれる。

「違うからぁ.....笑」
「可愛いね〜」

美羽はメガネを買って嬉しそうに付けてた。

「僕、本屋寄りたいんだけど行ってもいい?」
「うんいいよ」
「何買うの?」
「なんかいい小説あったら読もうかなって」
「あ、私おすすめあるよ」
「美羽、本読むの?」
「え、もしかして今めっちゃバカにされた?」
「してないしてない!笑」
「怒るよ」

睨んでも可愛いってどういうこと.....。

「村山のおすすめ何?」
「『焼き餅焼くなら狐色』って小説」
「あ、それ気になってたんだよね」
「どんなお話?」
「ん〜なんだろう幼なじみ系?」
「へぇ」
「主人公のライバルがなぎに似てるんだよね」
「え!まじ?」
「うん」
「え〜.....じゃあ読まなくていっか」
「なんでよ!」
「それ読んでね絶対」
「え、強制?」
「それ読まないなら行かせないよ」
「そんな.....」
「笑笑」

3人は樹乃國屋書店に向かった。

「え、こんなに大きい本屋さんあったんだ」
「うん、櫻丘市で1番大きい」
「へぇ.....」
「あ!これ知ってる!」
「なにそれ」
「今度映画化するんだよ!」
「あぁ愛季ちゃんが主演のやつか」
「愛季ちゃん?」
「うん!知ってる?」
「ギリ知ってる」
「可愛いよね〜」
「『夏の近道』か.....」
「結冬くん!?」

声の方を向くとショートヘアーの可愛らしい人が居た。

「え!?里奈さん!?」
「どうして?」
「え、普通に本を買いに」
「この子たちは?」
「あ、幼なじみと友達です」
「小島凪紗です!」
「村山美羽です.....」
「あら〜可愛いね〜笑」
「里奈さん、ここで働いてたんだ」
「バイトだけどね」
「結冬、この人は?」
「バンドメンバー」
「え!?」
「あ、この人なんだ」
「お世話になってます」
「ど、どうも.....バンドって?」
「この前の文化祭で里奈さんから声掛けてもらって組むことになった」
「そう.....なんだ.....」
「あ!今日出発だっけ?」
「ですです。で、その間に読む本を買おうかなって」
「そういう事ね〜」
「何かおすすめあります?」
「『焼き餅焼くなら狐色』って漫画面白いよ!」
「あ、漫画もあるんだ」
「美羽ちゃんも知ってるの?」
「私、小説読みました」
「へ〜!」
「沢村くん、これは買うしかないね🙂」
「はぁ.....そうしよっか.....笑」

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