【グラジオラスの花束 〜君と僕と洗濯物〜「向井純葉編」】1話
今日は土曜日。
だけど純葉にはやらなければならない事がある。
「朝だよー!!起きろー!!」
寝ている礼央の上に飛び乗る。
「痛っ!毎朝毎朝、上に乗ってくるな!!」
「こわーい!!」
「もう......笑」
「早く準備して!学校遅れちゃう!」
「じゃあ早く部屋から出ろ!!着替えるから!!」
「え〜やだ〜めんどくさ〜い」
「純葉だって早く着替えろよ!」
そろそろいいかな.....?
「ぷぷっ笑 今日土曜日だよ!!笑笑」
「え.....?うわほんとじゃん......」
「引っかかった〜!ばーかばーか!!」
「はぁ全く......おりゃ」
礼央の手が純葉の腰に伸びる。
「あははは笑笑 やめてくすぐったい笑笑」
「純葉が悪い」
「ねぇねぇ今日どっか遊びに行こ!」
「どこに?」
「どこか!」
「答えになってないよ」
「んーじゃあ動物園!」
「夜にはバイトだからそれまでね」
「え〜......バイト休めないの?」
「やだよバイト楽しいもん」
「......あ!純葉分かっちゃった!」
「なにが?」
「店長の事好きなんでしょ!」
「違うわ!」
「わぁ〜図星だ〜!」
「うるさいなぁ違うってば」
「店長可愛いもんね?」
「......可愛いけど」
「好きじゃん」
「そういうのじゃないって!」
「ふ〜ん.....😏」
「はぁ.......準備するからリビングで待ってて」
「覗いちゃダメだよ?笑」
「いや、こっちのセリフ!」
リビングでテレビを観ながら礼央を待つ。
「ほら、行くよ」
「今日も可愛いね!」
「それやめろ!」
純葉よりも小さい礼央の肩に寄りかかる。
「純葉より大きくなれるかな〜?」
「なれる!!絶対!!!」
「ふっ笑 ムリだよ笑」
「言ってろ!」
「じゃあしゅっぱーつ!」
「今日は動物園だけ?」
「ううん、その前にご飯食べたくない?」
「あ〜たしかにお腹空いた」
「食べてないの?」
「純葉が来たからね!」
「ごめんじゃん笑」
「許す」
「許すんかい」
「ハンバーガー食べたくない?」
「純葉も同じこと思ってた!」
「じゃあ決まりだね」
「駅前に新しくハンバーガー屋さんできてさ」
「え、僕もそこに行きたかった」
「凄くない?え、結婚する?」
「しないよ」
「つまんないの.....」
スマホで駅前のハンバーガー屋を調べる。
「見て見て色んな種類のハンバーガーがある」
「ほんとだ....パイナップルとかあるよ」
「ハンバーガーにパイナップル?」
「結構合うんだよ」
「へ〜、それもバイトの経験?」
「うん、璃花さんが教えてくれた」
「あ〜!下の名前!」
「そう呼べって」
「私の名前も呼んで」
「いつも呼んでるじゃん」
「呼んで!」
「純葉」
ふふ.....礼央、可愛い.....。
「よし、許そう」
「なに?なにが違うの?」
「着いた!」
『いらっしゃいませ〜!2名様ですか?』
「はい!2名です!」
『イートインですか?テイクアウトですか?』
「店内で!」
『ではこちらの席へどうぞ〜』
「ハンバーガー屋さんなのに席注文なんだね」
「ね!カフェみたい」
「純葉はもう決まってるの?」
「ううん、礼央は?」
「ん〜......アボカド気になるかも」
「オシャレさんだ.....」
「笑笑」
「純葉は〜.....オニオンにしようかな〜」
「分けっ子する?」
「いいの?」
「もちろん」
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