【グラジオラスの花束 〜君と僕と洗濯物〜「向井純葉」】14話
BBQも終わり、それぞれで片付けをしていた。
純葉「はい礼央」
礼央「うん」
純葉「.....ほい礼央」
礼央「ほい」
純葉「.....うぃ礼央」
礼央「うぃ」
純葉「.....へい礼央」
礼央「へい」
純葉「.....これ最後ね」
礼央「これ最後」
純葉「終わりー!!」
礼央「終わりー」
純葉「真似せんで!」
礼央「真似せんで」
純葉「礼央😠」
礼央「純葉😠」
純葉「なにこれ笑」
礼央「笑笑」
璃花「いとちゃ〜ん、礼央く〜ん」
2人で笑っていると璃花さんが来る。
璃花「終わった?」
純葉「はい!ばっちし丸です!」
礼央「です」
璃花「じゃあ冷凍庫に入ってるアイス食べていいよ!」
純葉「え!ほんとに!!」
礼央「ありがとうございます!」
純葉「競走だっ!!」
礼央「おい!ズルいだろ!」
ログハウスに戻ってもまだ誰も居らず、純葉と礼央が一番乗りだった。
純葉「あっいす〜」
礼央「だめだよ僕が勝ったんだから」
純葉「先に玄関入ったの純葉だもん」
礼央「先に靴脱いで上がったのは僕」
純葉「😠」
礼央「😠」
純葉「おっ先〜」
礼央「あぁちょっと!」
冷凍庫を開けると大量のアイスがあった。
純葉&礼央「て、天国だ.....」
礼央「被せんな」
純葉「礼央が被せてきたんじゃん」
礼央「てかこれだけあったら競う必要なかったね」
純葉「ね」
2人並んでソファで食べているとなぎちゃん達も戻ってくる。
結冬「なんだもう食べてんじゃん」
純葉「お先で〜す!笑」
美羽「それなに食べてんの」
純葉「パナップです!」
凪紗「礼央くんは?」
礼央「パリパリバーです」
結冬「美味いよなぁ」
凪紗「分かる」
礼央「分かる」
美羽「ねぇねぇめっちゃある」
凪紗「ほんと!?」
結冬「食いしん坊じゃん」
3人、団子の様に冷凍庫の前に並んでいた。
純葉「なんかあの3人って可愛いよね笑」
礼央「そうだね笑」
純葉「団子三兄妹みたいな」
礼央「たしかに笑」
そこに亮さんたちも戻ってくる。
純葉「あ!それ!!」
莉菜「気づくの早いね笑」
礼央「花火!!」
璃花「せいか〜い」
凪紗「花火!!?」
冷凍庫の前に居た3人もその声に惹かれてこっちに。
亮「やっぱり夏といえば花火っしょ!!」
純葉&凪紗「いえーい!!」
璃花「楽しむぞ〜!」
純葉&凪紗「うぉーー!!」
礼央&美羽&結冬「うぉ〜」
みんなでぞろぞろと砂浜に向かうと、他のログハウスの人たちも花火を楽しんでいた。
純葉「見て!」
凪紗「わぁ.....!」
その花火が海に反射して、まるで花火大会みたいだった。
各々が気に入った花火を取り、一斉に火を付け始める。
純葉「わぁ...綺麗.....」
莉菜「夏だねぇ」
亮「ね〜」
凪紗「小さい頃を思い出します」
璃花「小さい頃?」
結冬「2人で花火したやつ?笑」
凪紗「うん笑」
美羽「え〜...ズルい.....」
結冬「なぎの花火に全っ然、火が付かないとかね笑」
凪紗「あった!笑」
純葉「え!それ純葉たちもあった!」
礼央「僕のが全然付かないやつね笑」
純葉「礼央が取る花火は全部付かないのに純葉のはめっちゃ燃えてて、もうおかしくておかしくて笑」
礼央「あったあった笑」
莉菜「どこに遊びに行ったの〜?」
純葉「えっと...なんかタママみたいな名前の.....」
結冬「タママ?笑 ケロロ軍曹?笑」
美羽「懐かし.....笑」
礼央「奥多摩ね?笑」
純葉「そう!そこ!」
莉菜「何歳くらいの時?」
礼央「6歳くらいです」
璃花「10年前.....」
亮「よく覚えてんな」
礼央「その時に事故に遭ったのでちゃんと覚えてるんです」
結冬&亮「え!?」
凪紗「事故!!?」
純葉「礼央.....」
礼央の手を取ると「大丈夫だよ」と優しい顔で微笑んでくれた。
礼央「その日は雷が鳴っているくらいの雨が降ってて...何を考えたか1人で山道を歩いてたら、土砂崩れに巻き込まれちゃって.....」
凪紗「えぇ!!?」
礼央「あぁ!大丈夫です!今はほら!この通り元気なので!」
『元気なので!』じゃないよ.....。
凪紗「そっか.....」
礼央「その時に誰かに助けて貰って.....」
亮「まじか.....」
純葉「めっちゃ心配したんだから.....」
礼央「ごめんね.....」
礼央は純葉の手を優しく握り返してくれる。
礼央「その助けてくれた人をずっと探してるんです」
莉菜「そんなことが.....」
璃花「もしかして、そのキャンプ場ってカフェ併設じゃなかった?」
礼央「え?」
みんな一斉に璃花さんの方を向く。
璃花「『リバーサイド多摩キャンプ場』って所じゃない?」
礼央「え...そうですけど.....?」
璃花「やっぱり.....」
亮「.....まさか」
結冬「え?どういうことですか?」
璃花「その土砂崩れ...礼央くん以外にも巻き込まれてる人が居てね」
何かに気がついたらしい礼央の手に力が入る。
璃花「その人...私のお父さんかも.....」
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