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【グラジオラスの花束 〜油を注せ!〜「武元唯衣編」】1話


[唯衣〜今週末空いてる?]
[ごめん!今週末はずっとバイトで!🙏]
[いや!全然!バイト頑張って!👊]

「.......はぁ」
「唯衣ちゃんお待たせ!」
「おはよう璃花」
「朝からため息ついてどうしたの?」
「ううん、なんでもない」
「....もしかして明石くん?」
「え?よくわかったね」
「でしょ笑  最近会えてないよね?」
「お互い休みが合わないんだよね....」
「....大丈夫そう?」
「ううん....見て響介のストーリー」
「.....あっちは飲みかぁ」
「しかも女の子も居るっぽくて....」
「え〜....まあサークルの付き合いとかもあるし....」
「うん、そう思うようにしてる」
「そもそもこうやって週末に会おうとしてくれるんだから大丈夫だよ!」
「そうだよね.....大丈夫だよね?」
「よーし!じゃあそんな唯衣ちゃんにご飯奢ってあげましょう!」
「嬉しいけど、残念ながら今日はバイトなんだ〜笑」
「え〜せっかく今日研究で他のレストランカフェ行くからついでにと思ったのに〜.....笑」
「唯衣はついでかよ.....笑」
「うん笑笑  じゃあ後でね!」
「うん!また!」

うん。大丈夫。
響介から告白してきたんだから....。

ーーーーーーーーーーー

「武元さん」
「......」
「武元さん!溢れてます」
「......え!?やばっ!」
「も〜何してんすか」
「ごめ〜ん!」
「最近ボーっとしてますけど何かあったんすか?」
「あ〜....まぁ」
「話聞いてあげましょうか?」
「なんで上から目線やねん笑」
「一応バイトでは僕の方が先輩なんで」
「うるさい後輩」
「えぇ....」
「最近な」
「いや話すんかい」
「響介とタイミング合わんくて」
「明石さんすか」
「うん。もうそれがそろそろ1ヶ月経つんだよね」
「明石さんのInstagram楽しそうっすよね」
「そうなんだよね.....」
「...........武元さん」
「なに?」
「........」
「ちょっと!笑  何してんの?笑笑」
「変顔っす。面白いすか?」
「うん笑笑  初めて見た笑笑」
「っし....笑わせたんで後でアイス奢ってください」
「いや、買うって言ってないんだけど笑」
「ありがとうございますっ!」
「いや言ってn」
「しゃっす!!」
「まぁでもちょっと面白かったからいいよ」
「ほんとすか?」
「うん」
「儲け〜!」
「ハーゲンダッツはだめよ?」
「え、行こうとしてましたけど」
「少しは遠慮しろ」

ーーーーーーーーーーー

『っし〜、じゃあ唯衣!友哉!後頼むぞ〜』
「お疲れ様で〜す」
「お疲れ様です!」
「武元さん、こっち終わったんで手伝います」
「え!いいの?」
「早くアイス食べたいんで」
「なっ.....もうちょっと可愛い事言えないの?笑」
「無理っすね笑」
「可愛くないやつだな.....よいしょ」
「武元さん大丈夫すか?」
「ごめん、ちょっとこれ持ってて」
「っす」
「.......」
「.......武元さん」
「なに〜?」
「この後ご飯行きません?」
「え」
「......どうすか?」
「でも響介が...」
「すみません、たぶんあんまこういうの自分から伝えるのダメだと思うんすけど」
「なに〜?」
「明石さん、この前こっち帰ってきてて女子と2人で歩いてたんすよ」
「え.....」
「しかもたぶん隣に居た人、ストーリーで明石さんの隣に座ってた人でした」
「......やめてよ変な冗談言うのは」
「......ほんとっす」
「......」
「......武元さん」
「......なに?」
「そろそろ下ろしていいすか?限界っす」
「あ、ごめんごめん」
「だからこの後ご飯どうすか?俺で良かったら話くらい聞きますから」
「......分かった」
「あ、アイスは奢って貰いますけどそっちは俺が奢ります」
「いや、ここは先輩の私が」
「大丈夫っす。誘ったのは俺なんで払わせてください」
「......急にらしくないじゃん」
「流石に泣いてる女子置いて帰るほど腐ってねぇっす」

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