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ピエール瀧について1ヶ月モヤモヤ考えていたら……

2/19に行われたフィッシュマンズ主催イベント「闘魂2019」のライブ後、
一緒に観たぴあの先輩に「どうせ来月も電気(グルーヴ)のライブで
Zepp Tokyoに来るんですけどね」と言ったら、電気の話になり、

先輩は「最近、役者の(ピエール)瀧が気になる」という。

「瀧に限らず、リリー・フランキーもそうだけど。
だって俳優の養成所を出た若手の役者の目の前に瀧が来たら、
(居住まいや存在感で)敵いっこないもん。
瀧は役者をやる以前に、
“表現”についてたくさん考えたんだろうな」と。

言い得て妙だなと。

瀧は電気(グルーヴ)の中では
歌詞と
最終的な音のジャッジマンを担っていたはずだけど、
それはファンが知る話で。

世間的には
「あの何もしていないピエール瀧って人は何なの?」
という認知だったかと。

「じゃあ、瀧は何をやるの?」という問いを
常に突きつけられていたわけで。

電気で、まりんが抜ける前、
3人ともソロの作品を出したことがある。
放っておいてもどんどん音楽作品が作れてしまう
卓球とまりんはさておき、
瀧の単体のソロ作品はPV集だった。

アイデアを出して、誰かが形にして、
それを瀧がまた指示して、また変えて………。
監督みたいな仕事ぶりだったと思う。

リリーさんは、雑誌「ぴあ」で
映画コラム&イラストを手がけた「あっぱれB級シネマ」で爆発的な人気を誇っていたし、
その後、小説「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜」も書くわけですけど。
あれだけ毎週面白いコラムが締切遅れがちだとしても(笑)、
湯水のように書けたのだから、
「東京タワー」を季刊誌「en-taxi」掲載時に読んだ時も
「そりゃ書けるよなー」と。

先日、下北沢B&Bの木野花さんのトークショーに
「わたし、売れたいんです!」
と正当な野心を燃やしに燃やして現れる
若手女優さんが結構いたのですが、
その時に皆さん
「なんか、つるんとしてる」印象だったんですよね。
本とか映画とかアートとか、
あんまり読んだり触れてたりしている印象じゃない。

まあ、瀧とかリリーさんとかが目の前に来たら完全に撃沈する感じの。木っ端微塵になる感じの。

私はエンタメに育てられてきた人間なので
今後も可能な限り、エンタメを見て、
エンタメに投資して
物を考える素地を新しいエンタメ基準にしたいと思うのですが。これが上手い具合に文章に還元されれば
いいんですけどねぇ……。

〈上記は2/20のFacebookより転載。コメントが付いたことで、後半が続く〉

(コメントくださった方に答える形で)
若手女優さんの「つるんとしている」印象の反対語としては、
凸凹というより、人間的な「ザラつき」とか、人から醸し出される「引っかかり」ですよね。
決して若手俳優はまだまだとか、若手はダメという話でなく。
自分より若い人でも尊敬する表現者は大勢いるわけで。
野心むきだしの若い女優さんを見たことで、考えさせられたわけですよ。

「あのな。野心だけではどうにもならないことが、世の中にあってだな!」と。

先日、NHKの「SONGS」電気グルーヴ特集で、
編集長としてナビゲーターを務める大泉洋が
俳優の瀧に関してある種脅威を感じているようで
「俳優としてのピエール瀧に、演技の現場にはできるだけ来てほしくない。
できれば電気グルーヴの活動に専念してほしい(笑)。
ピエール瀧さんの演技は『味』というのか……」
と言っていて。

おそらくピエール瀧の役者の佇まいをどう表現していいのか
大泉洋もわからなかったのでしょうが、
「いや、『味』って違うだろ〜〜〜! 瀧の演技を『味』で片付けるなよ〜〜!」
と、とよた真由子元衆議院議員並みにツッコミを入れてしまったのですよ。

瀧についてモヤモヤと1ヶ月考えていたら、
突然、前職の先輩がその答えをポンっとくれた感じでしたね。

モノを見た時に、どれだけ思考したのか。表現についてどれだけ考えたのか。

野心だけではどうにもならないことが、すなわち「考えて生きたか」ってことなんだよな、と。
それが役者になったら、居住まいとして出ますよ?ってことだよな、と。

はあ、宿便が出たようで、スッキリしました!

電気グルーヴ30周年、おめでとうございます。

#電気グルーヴ #ウルトラの瀧 #ピエール瀧 #石野卓球 #砂原良徳 #リリーフランキー


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