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#2021年の100冊 7月に読んだ本ベスト3

#2021年の100冊 は、ジャンル問わずとにかく本を読んで勉強することを目的に開始しました。7月31日時点で66冊なので、月9冊強の計算です。

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7月は11冊読みました。中でもとても良かったのが以下の3冊!

1位「キッチン」(吉本ばなな)

30年前の名作。今まで特に読むきっかけがなかったのだけど、本屋でふと手に取りました。なんで今まで出会ってこなかったのか。直接足を運べる店舗は、こういう出会いがいい。

好きな小説を聞かれたら、今までは村上春樹の「スプートニクの恋人」と答えていたけれど、トップの座を譲ることになるかもしれません。

心に染み入る表現はもちろん、人の生死や男女の距離感の描き方のバランスがよく、アートとして読みたい小説でした。

会話に現実味がありそしてユーモアがある。それぞれの登場人物を愛してしまいそうなみずみずしさがありました。

2位「アルジャーノンに花束を」(ダニエル・キイス)

うわーん。よかった。(/_;)
最近の考え事のテーマが「孤独」だったため、孤独をテーマにした選書をしていたブログで知ったアメリカ小説。

32歳で6歳並みの知能しかもたない主人公チャーリィ。手術によって驚異的なスピードで「天才」に早変わりしていく青年が、知能や知識、愛や家族、ともだち、記憶について全編を記録する形をとった小説です。

6歳の知能のときのチャーリィの心の声、天才になったときのチャーリィの客観的な供述、どちらも心に迫るものがありました。

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3位「24人のビリー・ミリガン」(ダニエル・キイス)

2位と同じ著者のダニエル・キイスさんです。今度はノンフィクション。

1人の中に24人もの多重人格が生み出されたあるアメリカ人男性。3歳のイギリス人の女の子から、27歳スラブ訛りのアメリカ人までがひとりの男性に「同居」し、挙句レイプ事件まで起こすが、本来の「人格」には16歳で飛び降り自殺をしようとしたときから記憶がない。その背景を紐解き、人格を統合する治療にかかっているところまで書かれていました。

虐待がきっかけだったということで、人の心の働き方の複雑性を知りました。「事実は小説よりも奇なり」ではないですが、どっぷりつかって読んでしまいました。生々しさが印象に残るストーリーです。

7月のリスト11冊

ベスト3は以下の11冊から選びました。7月は連休で読書に没頭しました。いい読書したな。

#56「愛の工面」(辻仁成)

あまり読んだことがなかった辻仁成。知らずに読んだら、女性が書いていると思うかもしれない。

レンズを通して世の中を見る写真家と、"過去の男”である作家の危うい恋愛。

#57「金持ち父さん 貧乏父さん」(ロバートキヨサキ)

これは、、何の本かというと投資のススメ?読まれ続けている本なので読んでみましたが、いまの世の中お金が第一優先の人は減ってきていると思うので、「こういう考え方もある」くらいで良いのではと思いました。

#58「夢をかなえるゾウ1」(水野敬也)

中田敦彦のYoutube大学で紹介されていて読みました。「成功する方法」ではなく「失敗する方法」として読むと記憶に残ると言ってました。
たしかに真理が書いてある気がする。きちんと読み直しものにしたい本です。

靴がきれいかどうかを気にするようになりました。笑

#59「自分でパパッとできる事業計画書」(石井真人)

仕事で、事業計画の考え方を知りたく読みました。必要な時期と細かさに合わせてフェーズ1・2・3に分けて必要事項が解説されており読みやすかったです。

#60「緋色の研究」(コナン・ドイル)

言わずと知れた、名探偵シャーロック・ホームズが世に登場したデビュー作。小学生の図書館でホームズは全部読んだのですが、「本当に小学生のときにこれ読んだっけ?」というくらい重く暗い過去を背負った殺人事件を描いていました。
年代でいうと1887年(明治20年)、夏目漱石の「吾輩は猫である」等よりも少し前のロンドンが描かれています。

#61「孤独は社会問題」(多賀幹子)

「孤独」について小説だけでなく新書ではどのように語られているのか読んでみようと、本屋で手に取りました。なんと世界の本屋Amazonで売ってない。

「孤独対策先進国イギリスの取り組み」と副タイトルがついています。
「イギリスは世界で初めて孤独を社会問題ととらえ、孤独担当大臣を設置」「孤独は肥満や1日15本のタバコより健康に悪い」と帯に書いてあり、期待して読み始めました。

が、1/4以上の内容は、筆者がイギリス社会を持ち上げたいだけでは?孤独どこいった?という内容でした。ロイヤルファミリーのチャリティ活動をまとめた章は興味深かったですが、「孤独は社会問題」のタイトルに即した内容に限るなら1章で完結していた文章だったと思います。帯に書いてある以上の情報出てこない。星1つ。

#62「アルジャーノンに花束を」(ダニエル・キイス)

生まれつき手足がない人を、正面切ってからかったりしないだろう。どうして知的障害者のことはこんなふうにバカにして見下せるのか?

たぶん今月のベスト本になる、と読み終わったあと余韻に浸りました。後半の物語の早い展開に泣けます。

#63「キッチン」(吉本ばなな)

心の深いところにスッと入ってくる言葉の組み合わせに、この小説は芸術だと思いました。小難しさは一切ない、誰よりも優しい芸術。

#64「ケーキの切れない非行少年たち」

"非行”の裏には、知的障害や発達障害があるかもしれない。歪んだ世界しか見ることしかできないのかもしれない。そんな見方しかできない彼らが、どれだけ生きづらかったことか... 

「100-7」ができない中高生の彼らに、"心からの反省"ができるのか。(多い回答は 993、107だそう。)「同意のない性行為」が犯罪と理解できるのか。被害者の手記が読めるのか。「反省以前」の問題があると筆者は説く。

学校教育から取りこぼされ犯罪加害者となってしまう子どもたちの特徴や具体策を書いた一冊。中学の同級生の顔を思い浮かべながら読んでしまった。小学校の先生に読んで欲しい。

#65「24人のビリー・ミリガン」(ダニエル・キイス)

ベスト3に選んだ多重人格がテーマで、人間の心の複雑さが印象に残るノンフィクションでした。下巻も取り寄せました。楽しみです。

#66「投資は『きれいごと』で成功する」(新井和宏)

「いい会社」を見つけて長期的に寄り添う投資をする、鎌倉投信の創業者の本です。経営に関わる数字も見るものの、社長の考えや事業の在り方、社員の働き方などまで見て投資をする、「本来の金融」はこういうものではないかと考えさせられる一冊です。

まとめ

自分はやはり小説とノンフィクションが好きだと認識できた月でした。逆に勉強という意味では、直接実務に関わるような本や、ビジネスで使われる抽象度の高い概念を説明するような本は集中力が続かず読み切れていない本ばかりです。

「読書好き」を公言するにもジャンルが絞られるような気がしました。






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