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2021年の100冊 #25 「風立ちぬ (美しい村・麦藁帽子)」(堀辰雄)

表題作とあわせて5編の短編集。
軽井沢の林の涼しい風を浴びたくなりました。

2021年の100冊、ジャンル問わずとにかく本を読んで勉強することを目的に開始。ログはスマホで15分で書き上げることを目標にしています。

2021年3月13日、25冊目はこちら。

風立ちぬ

同タイトルの映画をみたことがありますか?
映画では飛行機の印象が強いと思いますが、堀辰雄の「風立ちぬ」には飛行機のくだりは出てきません。映画の原作は宮崎駿で、堀辰雄の「風立ちぬ」からは「着想を得た」ものとされています。

実在の航空技術者である堀越二郎をモデルに、堀辰雄の小説からの着想も盛り込まれた。映画のポスターには両名の名を挙げており、2012年に公表された版では「堀越二郎と堀辰雄に敬意を表して」と記されている。(Wikipedia・一部抜粋)

堀辰雄

明治後期〜昭和初期の作家です。

堀辰雄の作品は初めて読みましたが、解説を読む限り、”堀辰雄といえば軽井沢”という雰囲気がありました。「風立ちぬ」の舞台も軽井沢ですが、自身が療養していたこともあり、軽井沢を舞台にした小説が多いそうです。

堀辰雄(1904〜 1953)。東京帝国大学(現東京大学)国文科卒。
それまで私小説的となっていた日本の小説の流れの中に、意識的にフィクションによる「作りもの」としてのロマン(西洋流の小説)という文学形式を確立しようとした。(・・中略・・)肺結核を病み、軽井沢に療養することも度々あり、そこを舞台にした作品を多く残した。

前回、梶井基次郎の「檸檬」を読みましたが、梶井基次郎と堀辰雄は同世代。梶井基次郎は31歳で結核でなくなっていますが、堀辰雄も結核のため48歳という若さで亡くなっています。

 「風立ちぬ」の美しさ

すぐ立ち上がって行こうとするお前を、私は、いまの一瞬の何者をも失うまいとするかのように無理に引き止めて、私のそばから離さないでいた。お前は私のするがままにさせていた。

 風立ちぬ、いざ生きめやも。

 ふと口を衝いて出て来たそんな詩句を、私は私にもたれているお前の方に手をかけながら、口の裡で繰り返していた。それからやっとお前は私を振りほどいて立ち上がっていった。

死の影がせまる愛と療養の静謐な文章です。

(noteログ・30分)

それにしても最近、近代日本文学をたどりつつあります。読みづらいけど美しい。もっと読んで勉強したいなぁ。




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