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イベントレポート|スタートアップの祭典『Vienna Up』@ウィーン

Vienna Upは、年1回オーストリアのウィーンで開催されているスタートアップコミュニティーのためのイベントで、2024年は6月3日~9日の1週間にわたって開催されていました。
私自身、このイベントには初めて、かつ限られたプログラムのみの参加でしたが、雰囲気や気づきなどをシェアしたいと思います。

Vienna Upとは

ViennaUPは、Vienna Business Agency(ウィーン・ビジネス・エージェンシー)を中心にオーストリア内外のパートナー組織によって企画・主催されるイベントです。
2024年度のイベントでは、35以上のパートナーの協力のもと約50本ほどのプログラムが提供されており、AIなどの最新のテクノロジーにまつわるテーマから、DEIやSustainablilityなど、起業家にとって重要なナレッジに関するテーマが取り扱われていました。

プログラム概要

テーマ

大きく以下のジャンルで様々なテーマが取り扱われていました。

  • スマートシティの構築(モビリティ、エコなど)

  • ソーシャルイシューの解決(サスティナビリティ、サーキュラーエコノミー、食料問題など)

  • テクノロジー(AI、テックハッカソン、メディアなど)

  • 起業家に必要なスキルセット(リーダーシップ、ピッチ指導、DEI)

プログラムの形式

登壇者によるキーノートやパネルディスカッションや展示に加え、ユーザー参加型のワークショップ、ハッカソンなど、プログラムに応じてさまざまな形式がとられていました。

Vienna Upはスタートアップコミュニティーに向けたイベントのため、ハッカソンやピッチ、投資家とのOne on One セッションなど、プログラム主催者による一方的なレクチャーに加えてインタラクティブなセッションが多いプログラムになっていることも印象的でした。

ゆえに参加者も起業家やフリーランサーが多く、これまで私が出席したイベントよりもセッションの合間の参加者同士のネットワーキングが盛んに行われていると感じました。

参加方法/費用

一部有料なプログラムもありますが、ほとんどのプログラムは無料で参加することができます(公式サイト経由での事前登録が必須)。
通常、この手のイベントはデイリーパスなどの入場料がかかることが多くチケット代も高額なことが多いので、興味のあるプログラムに気軽に参加することができるのはすごくよいシステムだと思います!

Vienna Upは分散型のイベントであり、プログラムの運営方法やチケッティングは個々のパートナー企業にゆだねられているため、イベントの登録や参加方法がわかりづらいと感じる場面もありました。
また、人気なプログラムはすぐにスポットが埋まってしまうようなので、(ウェイティング制度もあり)気になるイベントがあれば早めに登録することをお勧めします。

開催場所

Vienna Upは分散型のイベントのため、メッセなどの大きな会場ではなく市内に分散する施設で開催されています。
プログラムによってはHofburgなどウィーンを代表する観光地も会場として利用されており、現代と歴史的な文化遺産が共存するオーストリアならではな会場設定だと感じました。

”オーストリア”というマーケットの選択

オーストリアというと観光業中心のようなイメージもありますが、数々の企業がビジネス拡大を狙って市場参入しつつあると聞き、どのような点が魅力と感じられているのかについても調べてみました。

ここ最近オーストリアではスタートアップ企業の設立や外国籍企業の参入が活発化しているようで、2022年だけでも、237の外国企業がウィーンに進出し、1万近い企業が新たに設立されたとのことでした(情報元:Vienna Business Agency)。

外国籍企業がなぜオーストリア?となぜウィーン?と思うかもしれませんが、オーストリアは地理的にヨーロッパの中心地に位置しているため物流や人的資源の観点でビジネスがしやすいといわれており、そのロケーションに魅力を感じてビジネスの場として選択する企業が多いようです。
また、ウィーンに住む約200万の市民のうち1/4が国際的なバックグラウンドを持っている点からも推察されるように、参入者にとって拠点を築きやすく、多様な価値観をビジネスに反映しやすいということも理由の一つとして挙げられるかもしれません。

また、オーストリアの公用語はドイツ語でありドイツやスイスなどと言語や文化で共通する部分もあるため、他のドイツ語圏の国に参入する前のテストマーケットとしても注目されているようです。


ウィーンを拠点とする企業の取り組みやそれらを取り巻く市場環境の事情は、こちらのサイトでも紹介されているので興味のある方はぜひ。

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