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人間が"生きる"ことはとてもシンプルで、その本質と向き合いながら暮らしをつくることに意味がある、と教えてくれた旅/喜界島

鹿児島県奄美群島に浮かぶ島のひとつ、喜界島。
「キカイジマ???」聞き慣れない未開の地に降り立つ高揚感は、ワクワクドリブンな私の欲を一層駆り立てる。
いわゆる観光地ではない島、単なる旅行先ではない場所に、確かな旅先の感触が呼び起こされていた。

人間の汚さとかちょっとじゃりっとしてる部分を全て洗い流してくれそうなほど透明な、ウリ浜。身体の芯に訴えかけてくるような、島唄パフォーマンス。savaniで島の人たちに挟まれながら踊り明かした、夜。朝4:30に港に響き渡る喜界高校野球部の、たくましい決意表明の声。教育のために島にひとつだけある信号機。喜界島で強く、強く地に根を張っている広大なサトウキビ畑にまっっっすぐ伸びる、シュガーロード。
脳裏に焼き付いている。どれも、鮮明に。

だけどそれらは映像として残り続けている。私の中で生き物として残っているもの、それは喜界島で出会った人と、彼らが語ってくれた言葉の数々。
島で唯一の喜界馬を飼っているグローリーファームを引き継いでいるひかりさん、喜界島で生きることについてポツポツと言葉をこぼしてくれた。

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私が、東京でカメラマンのアシスタントをしていたとき、ほんっとうに楽しかった。一生この人についていってもいいって思えるくらいの上司に出会えて、自分の腕が磨かれていくのも目に見えてわかって、毎日ジェットコースターみたいな刺激的な生活をしてた。

でも、自分の中ではいつも何か欠けているものがあった。その「何か」をはっきり言えないけど、自分を取り囲むものが、周りに存在しているものが、あまりにも複雑すぎて、その中には当然マイナスなものもあるってことに気付いたんだだよね。自分がいくらプラスな状態でも、無意識に入ってきてしまったマイナスを、私はマイナスなまましか受け取れないの。
でも、喜界島では、生きることがすごく、すごく、シンプルだった。
ジェットコースターみたいな刺激はたしかにないかもしれない。だけど、嫌でも目に入ってきてしまうマイナスが全然ないから、自分が生み出すプラスなことに全神経集中させられたの。
その暮らしは、私の中で心から満ち足りているな、今ここにあるものを大切に、大切にしたいなという感覚を芽生えさせてくれたんだよね。

将来何したいなんてわからなくてもさ、たくさん旅して、ここが私の大切にしたい感情を大切にできる場所だって思えるところに出会えたら、その場所で1秒でも長く過ごせたら、それで幸せだよ。

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人間が"生きる"ことは、とてもシンプルである。
その本質に向き合いながら暮らしをつくる人々は、私が私として生きていることを祝福されているのかもしれない。

そんなことを教えてくれた、
#自分を見つめるキカイ旅 、完。
((@tabippo、@jal、喜界島で共に時間を過ごしてくれたみんなに感謝の気持ちを込めて💐))

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