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【音楽】隠れた名盤のできかた


夢のパズル|山岡京子

1997年だから、もう26年前に仕事の関係でレコード会社のプロモーターから貰ったサンプル盤。
サンプル盤はいろいろと貰ったけど、その後も聴き続けたアルバムはそう多くない。これはそのうちの一枚。

「山岡京子」をネットで検索してもあまり情報は出てこなくて、どうもソロでのアルバムはこれ一枚を出したのみらしい。
今は「山岡恭子」として、ソロ活動を続けながら、ピアノやボーカルでサポートミュージシャンをしているらしい。

作詞作曲は全曲を本人が手掛けていて、プロデュースは笹路正徳。有名なプロデューサーですね。
のびやかで透明感のある歌声は、耳に優しくて聞き心地が良い。
曲はバラエティに富んでいて、アルバム一枚を聴き通しても飽きない。
それが非常に丁寧に編曲され、プロデュースされている。
とにかく良くできたアルバムだと思う。
でもなぜ売れなかったんだろう?
売れていればセカンド・アルバム以降も作られていたはず。
もちろん、売り方とか、レコード会社の力の入れ方とか、いろいろと音楽以外の要素もあるだろうけど、音楽だけで考えてみると、出来すぎていたんじゃないかと思う。
歌声は本当に良いんです。しっかりとした発声で、きちんとトレーニングを積んだと思われるボーカルテクニック。
だからこそ、引っ掛かりがないというか。
曲も良い。ありがちな同じようなメロディの曲が並ぶこともなく、作曲も高い技術を感じる。
歌詞も良い。等身大の20代女性の心情を歌った曲がほとんどで、恋愛中でも、恋が終わった後をテーマにした曲でも、男としてこう思われてたら嬉しいと感じさせるものがある。
路線としては、ここ数年、海外から火がついて流行っている、70年代〜80年代のシティポップにも通じるものがある。
しかしそれはこの時代(90年代後半)では新しさを感じさせるものではなかったのかもしれない。
簡単にいうと「引っかかり」が少ないというか。
そして時代に引っかかることなく、消えていってしまった。

でも、良いアルバムであることは間違いないとボクは思うんですよね。
こうやって「隠れた名盤」はできていくのかもね。
それにしても、これが埋れたままになっているのは非常にもったいない。
何かのきっかけで「発掘」されないかなぁ。

こちらは現在の活動のようですね

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