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【日記】彼女を受け止めることはできなかった

(2193文字)

noteの街の住人、sanngoさんが映画「愛がなんだ」の感想をアップしていた。

ボクは観ていないんだけど、この感想だけで主人公のテルコのキャラクターが目に浮かんだ。
それは、ボクが付き合ったことがある女性を思い出したから。
思い出したついでというか、頭の整理のために書いてみる。

明るい性格で、友達も多かった彼女。
付き合い始めの頃、彼女は寂しそうにこんなことを言った。
「今まで付き合った人は、みんな私を嫌いになって離れていった」
その時のボクはその言葉をしっかりと受け止めていなかったのだろう。付き合い始めだったから、その時の感情に任せて「ボクはそんなことはない」と言ったけど、後になってその意味が分かることになった。

この映画で主人公のテルコは、好きになったマモちゃんに献身的に尽くすらしい。
でもマモちゃんの彼女ではない。やがてマモちゃんは別の年上の女性に惹かれていく。

ボクは付き合っていたので彼氏彼女ではあった。
そして彼女は尽くすタイプだったと思う。世話を焼くタイプではあったし。
でもそれは物理的なことに限られていて、精神的なことでボクが満たされることはなかった。

甘えてくるし、求めてくるし、ボクを好きなのだろうということはわかる。
しかし、ボクのことは理解しようとしてくれない。まるで興味がないかのように。
そんなことはないと彼女は言っていたけど。

前にも何度か書いたけど、好きになったら相手を理解したい、嬉しいことも悲しいことも共有したい。そう思うのが愛の根幹だと思う。
でも彼女からはそれを感じられない。
好きだとか、愛してるとか、どれだけ言われても、ボクにはまるで空を掴むように手応えがない。
一緒にいればいるほど、もどかしさや寂しさが大きくなる。
彼女は自分を愛して欲しいだけなのだ。

ボクの気持ちや性格が分からないから、ボクが嫌なこともしてしまう。
長くなるので書かないけど。

さすがに耐えられなくなって、ボクは別れを切り出した。
彼女はそれを受け入れたが、1ヶ月後に無理だと連絡してきた。
ここでスパッと離れれば良かったけど、どうしても可哀想になってしまい、少しだけよりを戻した。ここがボクの悪いところ。
しかしやはりお互いのためにならないと思い、最後は少しというか、結構突き放す言葉を言って別れた。
彼女に諦めて欲しかったし、ボク自身にも別れを覚悟させたかった。

彼女は自分が好きになれないと言っていた。
しかし本当は好きになりたいし、誰かに愛されれば好きになれると思っていたんじゃないかと思う。
そしてこのような台詞はこの映画にも出てくるらしい。
彼女は自分を好きになるために、愛してくれそうな人としてボクを好きになったのではないかと思う。
究極の自己愛。
もちろん、自分では気がついていないんだけど。
ボクは彼女にいったことがある。
「結局、君が好きなのは自分自身なんだよね」
でも、彼女は「自分が好きになれないって言ってるじゃない」と反論した。
ボクが言っている意味が理解されることはなかった。

彼女にはある特徴があった。
ボクがして欲しいこと、言って欲しいことを察すると、それを受け付けない。
そんなことを言えば嫌われると、彼女自身もどこかで分かっていたのだと思うけど、まるでシャッターを下ろすかのようにボクの気持ちを理解しようとしない。
でも、そうやって確かめたかったんじゃないかと思う。ボクが彼女のことを好きなのかどうか。
結果的に、ボクの心は離れていく。
「今まで付き合った人は、みんな私を嫌いになって離れていった」
この言葉の意味がよく分かるようになった。みんなこんな寂しさを感じていたんだろうな、と。
彼女を苦しめていたのは彼女自身だった。

彼女は母親との関係が悪く、愛されてこなかったと言っていた。
だから不安だったのだと思う。ずっと。
子供の頃に、親に愛されることで、人は自分の存在を認められるようになると思う。
だけど、彼女にはそれが不十分だった。
かといって、ネグレクトではなかったし、めちゃくちゃな家庭でもなかったから、普通に育つことはできた。
でも、彼女の生きづらさの原因はそこにあったのではないかと、今は思う。
だから子供のように、愛されることだけを求めていた。
子供のようにと考えると、彼女の言動は理解できるのだ。

そしてボクは、求められること、頼られることに喜びを感じてしまう。
つまり惹かれあうのは必然だったのだ。
でもボクは受け止めきれなかった。それには心苦しさがあるけど、ボクにも愛されたい気持ちがあった。
いくら愛しても、手応えがつかめない寂しさに耐えられるはずもない。
それに、その状況を受け容れてしまったら、それは共依存になっていただろう。
共依存になるには、ボクの性質では中途半端だった。

彼女を悪く言うつもりはない。
むしろ、失礼かもしれないけど可哀想だと思う。彼女がそうなったのは、彼女の責任ではないと感じるから。
それに、恋愛は相対的なものであって、彼女にとってはボクが悪いのかもしれない。

今はどうしているだろう。
彼女が愛されるには、愛し方を覚えなければならないだろう。
そのためには、母親との関係や、自分自信を理解する必要があったと思う。
それができているだろうか?
もし、共依存の状態が成り立っていて幸せなら、それはそれで良いと思う。
というか、そういう相手じゃなければ難しいかもしれない。

長々と思い出話をしました。
これといったオチはないです(笑)
今はただ、彼女が幸せであって欲しいと素直に思います。





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