見出し画像

【日記】今日は相撲について語らせてくれ

(2384文字)

今日はもう、相撲のことが書きたい。
なので、興味がない人はスルーで(笑)

いやぁ、今場所は本当に面白かった。
これはもうドラマですよ、ドラマ。
ボクとしてはWBCよりドラマチックだった。

まず、今場所を盛り上げたのは、誰が何と言おうと琴ノ若でしょう。
ボクはずっと応援してきたんですよね。
というのも、父である先代の琴ノ若(現佐渡ケ嶽親方)は山形県尾花沢市出身。
ボクの母も尾花沢市出身で、ボクにとっても故郷のようなところなので、先代の琴ノ若を応援していた。
最高位は関脇だったけど、これがまたもどかしい相撲が多かったんですよね。
恵まれた体型だったけど、ガツンと当たって前に出る相撲ではなく、まず受け止めてじわじわとという相撲で、コロッと負けることも多く、終わってみれば8勝7敗で勝ち越してたという感じだった。

そして息子である今の琴ノ若。祖父は横綱琴櫻。サラブレッドですね。
幕内に上がってきた当初は、どこか父の相撲に似ていてもどかしさもあったけど、次第に前に出る相撲が板についてきた。
少しずつ、少しずつ強くなってきて、勝ち星も安定してあげられるようになり、小結、関脇と二桁を含めた勝ち越しを重ねてきた。
それに従い、表情も変わってきた。キリッとしてきたよね。
サラブレッド的な品はそのまま、お坊ちゃん的な甘さが抜けてきた。
そして今場所。
前半からずっと優勝争いを引っ張ってきた。
負けたのは関脇経験者の若元春と横綱照ノ富士。
照ノ富士には完敗だった。自分の相撲を取り切ろうとしたと思うけど、横綱は脇の甘さを見逃さず、一気に勝負を決めた。

その照ノ富士。4場所ぶりの相撲。
もともと悪かった膝に加え、腰も痛め、さらに糖尿病も持っている。
まさに満身創痍。
さらに稽古も不十分。
大丈夫なのかという心配の通り前半で2敗。
しかし中盤に入ってから次第に安定してきて、終盤はもう強さを取り戻したように見えた。
この変化はもう気力でしょうね。そして横綱としての責任感。
この状況で、勝ちにいこうとしない相撲。
とにかく、対戦相手の相撲を受け止めて跳ね返す壁のような相撲。
これぞ横綱ですよね。
照ノ富士は、こう言うと悪いけど、怪我で序二段まで下がって良かったと思う。
若い頃、順調に勝ち上がってきて大関になった。
しかしその頃の相撲は、力と負けん気だけで取っていたように見えた。
このまま横綱になって良いのかとボクは思っていた。
はっきり言って、好きな相撲ではなかったのもあるけど、横綱の役割が果たせるのか疑問だった。
しかし、その強引な相撲が膝の故障を招いた。
長期の休みが必要となり序二段まで落ちた。さらに糖尿病にも苦しめられる。
復帰後は怪我と病気に付き合いながら幕内に復帰。
相撲も表情も変わっていた。
怪我をカバーするために技を身につけ、序二段からの再出発に心が鍛えられたのだと思う。力はもともとある。
そしてついに心技体がそろって横綱に。
この時は感動しましたね。
角番とギリギリでの勝ち越しを繰り返す日本人大関たちを、いとも簡単に追い越した。
そして今場所。
各方面から心配されながらも優勝争いに。
千秋楽の今日。本割での大関霧島を全く問題にせず。

そして優勝決定戦。
本割で自分の相撲を取ろうとして完敗だった琴ノ若がどうでてくるのか。
解説の舞の海さんは張ってくることも考えられると言っていた。
しかし立ち合いから差しにいくという、頑なに自分の相撲でいった琴ノ若。それをしっかりと受け止める照ノ富士。
一瞬引きながらも最後まで攻めようとする琴ノ若。
しかし、一瞬脇があいたところを横綱が見逃さない。それでも諦めない琴ノ若。
最後は横綱が琴ノ若を土俵下まで押し出して優勝。
本当に良い一番でした。
満身創痍ながらも、壁となって横綱の役割を果たした照ノ富士も立派だけど、本割で完敗しながらも、小手先の作戦で勝ちを拾いに行こうとせず、真正面から自分の相撲でぶつかった琴ノ若は本当に素晴らしかったと思う。
ファンが見たいのはこういう相撲なんですよ。

優勝決定戦後、すぐに臨時総会が召集されることになり、琴ノ若の大関昇進が確実となった。これは文句ないでしょう。
大関といえば、現大関で横綱を狙う霧島と豊昇龍。
終盤の照ノ富士の相撲を見ていると、彼らがまだ横綱の力がないことは明らかなんですよね。
今のままの相撲をしていたら永遠に横綱になれないと思う。というか、なっちゃいけない。
彼らに共通するのは、運動神経や対応力で勝っているということ。
特に豊昇龍は勝つ相撲をしようとしているように見える。
今場所で何回立ち合いで張り差しにいったかな?
立ち合いの間の取り方もそうだけど、とにかく先手をとって有利に進めようとする。結局、自分の相撲がない。
霧島と豊昇龍には、しっかり自分の相撲を身につけて、下の挑戦を受け止めて跳ね返すような相撲をしてほしい。
そうなると、横綱が見えてくると思う。

琴ノ若は技能賞受賞。
受賞のインタビューの口惜しそうな顔がよかったね。
あの表情を見せらるようになったんだなぁ。
とにかく自分の相撲を磨くと繰り返していたけど、今場所の2度の横綱との対戦で課題点はもう明らかになっているし、優勝はできなかったけど得るものが非常に大きい場所だったと思う。

そして若手ね。
話題だったのは新入幕の大の里。
勝ち方が圧倒的で、ついに関脇、大関、横綱との対戦が組まれ、ことごとく跳ね返された。
それを良い経験と楽しそうに話してたのがよかったね。
今後、間違いなく三役、その上を狙える逸材だからね。怪我しないで無事に上がってきてほしい。
怪我で下がった伯桜鵬も順調に上がってきてる。
阿武剋、安響という注目の若手もいる。
熱海富士は今場所イマイチだったけど、期待の力士であることに変わりない。

とにかく今場所は感動した。
若手にもワクワクさせられる。

いやぁ、相撲が好きで良かったと思わせてくれる場所だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?