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【日記】いろんな人がいますね その2

あるスーパーマーケットで買い物をし、袋詰めの台にカゴを置いた。
なんだか少し高いような気がしてレシートを見直す。
すると、564円の豚バラスライスが2つ計上されていた。
そこで、レジの若い女性にその旨を伝えると、彼女は全く謝るそぶりも見せずにこう言った。
「それでは、あちらのサービスカウンターで返金サービスを行っております」
ん?返金サービス?
ボクはサービスを受ける立場なの?
なんかモヤモヤしながらサービスカウンターに行き返金してもらった。

なんでも売ってる驚安の殿堂をちょっと覗いてみたときの話。
行ったことがなかったので気になったんですよね。
溢れる商品と情報量、香水かなにか化粧の匂いにクラクラして、もう出ようかなと思ったときに、いかにもこの場に似合いそうなカップルを発見。
二人とも上下スウェット。
男は短髪で黒に金のラインが入ったスウェットで、カラオケではEXILEしか歌いませんという感じ。
女は白とピンクのスウェットで金髪のロングをつねにかき上げていて、1日に発する言語の半分は「チョ〜ウケる」なんじゃないかという感じ。
そのふたりがクッション売り場の前で大声を出している。
「どれにするんだよ!買ってやるって言ってんだからよぉ、早く決めろよ」
「うるっせーな、今悩んでんだろうが」
「さっきのピンクのやつで良いじゃねぇかよ!」
「もっと柔らけぇのが良いって言ってんだろうが。少し黙ってろよ」
「おめぇいつもそうじゃねえかよ。ささっとしろよ!」
「だからうるせえって言ってんだろうが!」
あらー、こんなところで喧嘩か〜と思ったんだけど、よく見たら手を繋いでいる。
てことは喧嘩してるわけじゃないのか。
新しい言語?っていうか方言?

半年前まで暮らしていた家の近くには公園があった。
一周300mくらい。
その公園の外周の道を早足で歩いていた。運動不足解消にね。
何周かしてベンチに腰掛けて休んでいると、隣に80代くらいの少し上品そうな、小さなお婆さんが座って「こんにちは」と挨拶してきた。
ボクも挨拶を返す。
「良い天気ですね」
お婆さんの言葉に、ボクも「そうですね」と応える。
それが合図かのようにお婆さんがゆっくりと、しかし合いの手を入れる隙のない感じで話し出した。
「こういう日はやっぱり外に行きたくなりますよね。でも嫁がおばあちゃん危ないからあんまり外にでちゃだめよって言うんですよ。でもねぇ、やっぱり散歩したくなっちゃうの。歩けなくなると困るしね。でも最近ボケちゃって、車も危ないしね。だから嫁も心配するのよね」
そこまで一気に話し続けた。
「まぁ、でもこう天気が良いとね、散歩したくなりますよね」
ボクはそう応えた。
そしてまたお婆さんが話始める。
「そうなの。こういう日はやっぱり外に行きたくなりますよね。でも嫁がおばあちゃん危ないからあんまり外にでちゃだめよって言うんですよ。でもねぇ、やっぱり散歩したくなっちゃうの。歩けなくなると困るしね。でも最近ボケちゃって、車も危ないしね。だから嫁も心配するのよね」
あら?デジャブ?
すると今度はボクの合いの手を待たずに話し始める。
「こういう日はやっぱり外に行きたくなりますよね。でも嫁がおばあちゃん危ないからあんまり外に・・・・・・」
ボクはどこかにスイッチでもついてるのかなと思って、お婆さんの肩や少し曲がった背中を見てみたけど見当たらなかったので、
「それじゃ、また。失礼します」
と言ってベンチを立った。

やっぱり世の中、いろんな人がいますね。


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