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黄エビネが咲く庭で

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このマガジンは、医療の小説です。 医療・製薬・ITなどのビジネスを手掛けてきた私、武知志英が、日本の医療の質を高め、日本に住む人たちが安心して生きていけるようにする処方箋を、実際…
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2024年6月の記事一覧

黄エビネが咲く庭で (第十七章 錯綜する思惑)

黄エビネが咲く庭で (第十七章 錯綜する思惑)

第十七章 錯綜する思惑

 吉田たちは、松坂の仲介で、POC(Proof of Concept:概念実証)としてではあるものの、厚生労働省のNDB(ナショナル・データベース)にアクセス可能になり、レセプトデータを日本全国の規模で分析できるようになった。
 その分析結果は随時厚生労働省に共有され、同省内の各会議体での議論に活用された。

 吉田のインフィニティヴァリューのBIツールは、厚生労働省の中

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黄エビネが咲く庭で (第十五章 吉田たちに差し込む一筋の光明)

黄エビネが咲く庭で (第十五章 吉田たちに差し込む一筋の光明)

第十五章 吉田たちに差し込む一筋の光明

 井出がデジタル庁長官の濱田に対して医療DX勉強会のアジェンダの案を見せながら、勉強会の方向性や議論の進め方などを話し合っている間、蒼生たちはレセプトデータの活用についての議論を深めていた。
 
 蒼井たちはレセプトデータを扱っている社会保険や国民保険の担当者にコンタクトし、アポイントをもらった。そして、その担当者にレセプトデータがどのように活用されている

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