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料理の世界へようこそ

成人式を迎える時期になると社会人とは?とよく考えます。

ドラマで人気だった「グランメゾン東京」の影響で今年の専門学校の希望者が増えている、とかいないとか。

そして入学する人もいるように4月にもなると学校を卒業し、飲食業界へ入ってくる人もいます。

そんな料理の道へ進んだ人が口を揃えていうこと、

「将来は独立したいんです」

この独立する(オーナーシェフ)と、雇われシェフについて少しお話しをさせてください

僕はいま都内で6店舗展開するイタリアンレストランの統括料理長として働いています。いわゆる雇われシェフですね。

たしかに僕も独立を目標にしていたし、(今も、ないわけではないが)何歳までにやるか設定し、その為にいま何をするべきか逆算しながら働いていたつもりです。

だからなのか、いつも将来の自分のお店のことばかり考えています。何気なく入った木更津アウトレットのターリーズコーヒーの椅子の座り心地が良くて、「カウンターで使えるかな?」と思ってその場で調べ始めたり、引越しをした時に本棚をDIYしようとにビバホームに行ったら無垢の丸テーブルを見つけて「この厚さで100cmあるなら色塗ればこれもありだな」とか、ディズニーシーに行った時も並びながら「この造形の雰囲気いいなぁ、天井はやっぱりこんな感じにしよう」などなど、身の回りにある情報はすべて「独立したら○○」と、すべて自動変換されるように僕はプログラミングされています。

奥さんは、今でこそ言わなくなりましたが、付き合ってた当初はよく「まーた、お店の話ししてる。やめてよね」と言ってました。そりゃそうだ。口を開けば仕事に何か生かせるんじゃないか?とばっかり言ってる男はロクなもんじゃない。本当のデキる男はON/OFFの切り替えができるものです。(奥さんに感謝しかないありがとう)

少し脱線したので話を戻しますが、雇われシェフとオーナーシェフと違いとは何なんだろか?

オーナーシェフは自分の料理の世界観を存分に表現できる。責任を全て自分でもつ覚悟がある。それを料理として食べてもらうことで生計を立てられる実力からくる美味しさへの担保。他にも沢山あるが、これが大きな僕のイメージです。

いまの飲食業が少し苦しい状況のなか、経営もやりながら料理をつくる人はホントに超人だと思います。周りにもたくさんの素晴らしいオーナーシェフがいますが、やはり尊敬できる人たちばかりです。

でも、忘れちゃいけないのがほとんどの人が雇われシェフを経験している。

そこにこそ注目して学ぶべきものが沢山あるんじゃないかと思います。

僕がそれを強く思ったキッカケは、少し前にオーナーシェフでもあり先輩でもある人と話していたときのことでした。その人が「雇われシェフだと食材原価やお店の方針など不自由ななかでも自分らしい料理を出したいと思う葛藤もあるだろうし、役職がついて人の上に立つことで色々と時間を奪われて、料理だけに集中することが許されない環境は経験したほうがいい」と言ってたのです

その時に僕は、頭の中で「オーナーシェフになっても同じことで悩んでるんじゃないか?いや、むしろ経営者なのだからスタッフの生活や、お店の売上、自分の給料など考えたら、それ以上なんだな……。雇われている今のうちに準備しておこう」と考えました。

雇われている以上は不満もあるだろうし、焦る気持ちも正直あるでしょう。でも独立しても悩むことが無くなるわけではないんですね。しかしサラリーマンはありがたい事に給料は必ず出る。そこに甘えず、自分次第で結果を出せば、役職も上がるし、自由にできる事も増えていきます。そしたら働きやすい環境をつくる事だって可能かもしれないし、いまの時代も手伝ってなにか新しい事にもチャレンジできるかもしれない。ここで大事なのは雇われているという恵まれている真実を忘れずに、その環境を生かす努力をしなければ独立したって先は見えているということ。

だから同じ飲食業で働いている若手の人に、ちょっと長く働いてるからと偉そうにしてる僕から伝えたいことがあります。

「いまの環境は、自分の理想とは違うかもしれない。でも自由に決められる今の時代だからこそ不満を大きな声で言わないほうがいい。それよりポジティブなことを探したり、雇われてでもシェフを目指したり、目の前の仕事で結果を残した方がよっぽど生産性がある。でもそんな考えを吹き飛ばすくらいの新しい世界を切り開いてくれるのを期待してます」

そんな僕も負けずにチャレンジしていきます!一緒に頑張りましょう!





最後まで貴重なお時間を頂きありがとうございます 僕は料理しか作れないのでnoteはすべて無料で公開しています。 もし何か価値を感じてサポート頂けたら嬉しすぎて全力で、なつきます