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【エッセイ】20回目の記念日に

12月8日。

20年前の今日、名古屋の金山駅にあるANAホテルで結婚式をあげました。
当時、NTTだったので、ISDNの通信速度(64+64=128)として覚えやすい日(笑)

「結婚したら、絶対に東京で働くようにするから、ちょっと待ってて!」

根拠のない約束の中で、がむしゃらに異動希望を出して、3ヶ月後に上京して、いまの東京の暮らしとなった。

20年という年月。
ちょうど生まれてから成人式になるまでと同じ時間。
長いよな〜って、あらためて噛みしめています。


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29歳
東京にきてからは、仕事に没頭して、家庭を顧みず・・
今思い出しても、本当にひどいもんで、
週に数日は朝帰りしたり、休日は、パチンコ三昧にゲーム三昧。
ろくに会話もせず・・・

東京は名古屋の市場規模の十倍。
自分の可能性も十倍だな〜といきがっている感じだった。

「テレビに出るような仕事をして有名になるんや、おれは体張って稼いでんのやから、口出しすんな」

無理をしたり無茶をすることが、かっこいいような気がして。
3年もすると仕事もいい感じになってきたけれど

家庭のことに向き合うことが、なんか怖くなって
逃げるようになっていたように思う。

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33歳
初めての人間ドックで、まさかの肝臓の数値悪くて急遽再検査。
「1週間安静に休むように」と診断書まで出されて
びびりの私は少しおとなしくなった。

「もーおれはあかんわ・・しんでしまうかも〜」

1年くらい禁酒してみたり・・
少しは飲み会とかも控えて、きちんと家に帰るようにした。

でも、家庭的な人間になるのが、照れくさいこともあって
昔の男らしさ、みたいなのを引きずっている幼稚な人間だった。


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44歳
名古屋で単身赴任。結婚して以来、初めての一人暮らし。
生活は羽をのばせる自由な時間も多かった

「毎日好きなことして遊びまくれるな〜、最高やわ」

でも、1〜2週間に一度、東京の家に帰る途中
家庭のことや、自分のこと、生活のこと、将来のことを考えていることが多くなった。

2年目になると、ウォーキングや読書とか禁煙とか
今までの自分なら、恥ずかしくてやらなかったようなことを
なんか、気持ちもふっきれてやれるようになる。

自分に向き合っていなかったことに気づいたことで
家庭にも向き合う勇気がでて、いろいろ話せるようになってきた。


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48歳
いま、20回目の結婚記念日。
朝イチだけ仕事して、休暇をとって記念ランチ
天気は悪かったけど、いい休みになったな〜と
ゆったりnoteを書いている。



今までの人生の中で
一番ながく生活の”時間”を過ごしているひと。

心と心は、近づいたり、離れたり、くっついたり、きれそうになったり

お互いの感情
相手への想い
世間体
見栄やプライド
信頼や疑い
期待や不安
安らぎや寂しさ。

いろんな気持ちが、たくさんつらなった長い”時間”をともにしてきた。
つらいことは忘れるから、楽しい記憶だけが蘇る。


なぜだかわからないけれど
今日はいままでの記念日の中で、一番まったりとゆったりした気持ちで過ごせたかもしれない。


本当に、こんな幼稚で未熟な私と、いっしょに長い”時間”を過ごしてくれてありがとう。

心から感謝しています。

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©️Mahalopine

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