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エッセイ・詩など

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たまにぽかんと浮かんだ思いや言葉をエッセイ・詩にしています。 できるだけ、シンプルに伝わりやすい文章を目指して。
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2024年2月の記事一覧

雨の中で

寒さも少し和らいだ空気のなか しとしとと柔らかな雨が降り注ぐ ここ数年、妙に晴れ男になった僕 今年も傘をさして歩いた記憶はほとんどなくて 仕事に向かう道のりを傘をさして歩いているのは今年初めてかも知れない 雨の日用の靴を履いてきたから しっとりとしたアスファルトを踏みしめながら 歩く足どりは軽くて心地よい 週末に思いつきで 先週に温泉のエキスパートの方に教えてもらった 群馬県にある四万温泉というところに小旅行に出かけてみた 千と千尋の神隠しのモデルになったといわれる古い

もっと・・・

何かできることはないのか 何かもっと、大切なひとを支えるためにしてあげられることは 自分はひとのために変わってこれたんだろうか ひとに自分の知識や経験を押し付けているだけで ひとを変えようとしているだけじゃないか 溢れる思いと感情で 必死になっている自分と向き合ってみると 余裕がなくなっていて 全く逆のロジカルなことを並べ立てて なんとか自分を納得させているだけで かといって 黙って賢者のようにふるまうこともできず 溢れる思いと感情にまかせて ふるまうほど若くない 自

時は後もどりすることなく流れている

時は後もどりすることなく流れている 目の前にあることを見つめると 頭の中考えていることは 決して目の前に現れないことだとわかる 未来は予測できるわけもなく ただただ、 目の前にあることの連続だということを わかっているつもりでいるようで また、頭の中で何かを考えようとしている ひとからどう思われているか考えても ひとは驚くほど自分のことをみていないことに気づく ひとのことを考えていても 気がつけば自分のことを考えていることに気づく 偶然の出来事に背中を押されて 一歩踏

生命の鼓動

1時間以上早くついた病院。 だだっ広い駐車場には数台の車がいるだけ 「まだ時間あるで、少し歩いてくるわ・・」 「一緒にいこか、海沿いに風車があるでみにいくか」 親父と僕は寒い風が吹く中、広い大学病院の駐車場からキャンバスを通り抜けて、奥の方に見えていた風車の方に歩き出した。 「お母さんは近くの百貨店に来るのが好きでな、よく連れてくるんやわ」 「おれはやることがないから海岸の方まで歩いてきてハーモニカの練習をたまにしとるんさ」 そんなことを言っている親父の方は見ずに早歩

久しぶりの雨

朝起きるといつもより寒くて 外をみると久しぶりの雨が降っている。 車で向かう病院への道 通勤ラッシュの人たちに混じって 駅前の国道は渋滞になっていた。 運転手の親父はちょっとイラついて 少しでも早く行こうと車線変更を繰り返す さっきからGoogleマップでは別のルートが出ている 「こんな日は少しでも穏やかな気持ちで運転したほうがいいよ」 と、親父に話しかけた。 寒空から降り注ぐ雨────── やるせない気持ちと向き合って 少しでも近くにいることが安らぎになる。 病

【エッセイ】母のもとに

あわただしく朝のルーティーンをこなしながら、 もう家をでる時間だからと 忘れ物がないかな、と荷物を確認する パソコン、お財布、衣服など、 でも新幹線に乗り込んだあとに ビタミン剤や充電して準備してたシェーバーを忘れていたことに気づいた。 今回実家にいくのは帰省でも旅行でもないから 忘れ物なんてどうでもいいな。 少しでも近くで 少しでも何かできることをしたくて── 弟からのLINE── 「近くの駅から実家まで車で送ろうか?」 いつもならありがたくお願いするところだけど 迎