見出し画像

「掛け算の順序問題」は考える順序の押し付けである

私の頭の中をすっかりひっくり返してくれた留学先フランスでは模範正答が逆であるらしい。記事中にも「帰国子女が・・」とあるように、逆の国もあるという事に注目し、そちらではどういう考え方でそうなっているのか、探ろうとは思わないのだろうか。

「1あたり」と「いくつ分」と説明するとしても、「先に『1あたり』を考えるのが当然だ」と大人達が信じて疑わないのはどういうことであろう。先に大きく「いくつ分」があるのか捉え、その後「1あたり」にいくつずつあるのかと細かく見て行く人がいてもなんらおかしくはない。

実際、この写真の問題文はその順序で説明をしている! それに、問題文にみかんなど食べ物を出すという事は、状況としては割り算に近いものを連想させるのは当然だ。お友達が集まって、おやつを等しく分けましょうという時によくやるのは、人数分のお皿を用意し、1つずつ置いて行って何周できるかやってみて、最終的に1人何個ずつになった、という流れであり、多くの子供が体験済みであろう。

考える順序を限定することは、「木を見る前に森を見るな!」という押し付けに他ならない。

順序が逆の答案を見ただけで、「意味もわからず問題文に出て来た数字を適当に並べて式を立てたな」と子供のやった事を決めつけて条件反射的に×をつける教師がいるのは容易に想像がつくが、それであれば日本式の順序で式を書いていても同じ割合でそういう子供はいるだろう。少なくとも×を付ける前に、どのように考えてその式を立てるに至ったのか本人に聞かずに問答無用で×にするのは良い事ではない。