Yuki Hasegawa

ニューヨーク州公認の心理カウンセラーです。ニューヨークで10年ほど暮らした後、現在はシ…

Yuki Hasegawa

ニューヨーク州公認の心理カウンセラーです。ニューヨークで10年ほど暮らした後、現在はシンガポールに拠点を置いています。カウンセラーになるためにアメリカのコロンビア大学にて学んだこと、また臨床を通して得た知識をより多くの方々にお伝えできればと思い、心に関する記事を投稿しています。

最近の記事

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米国ニューヨーク州公認心理士が心についてお話しするブログです

私は米国ニューヨーク州公認心理カウンセラーです。米国のコロンビア大学臨床心理学修士課程を修了し、資格を取得、当地で開業してカウンセラーとして活動していました。ニューヨークで10年ほど暮らした後、現在はシンガポールに拠点を移し、引き続きカウンセリングに従事しています(詳しくはページ最後の略歴をご参照ください)。 私がカウンセラーになるために米国の大学院で学んだこと、そしてカウンセラーとして働きながら得た知識をお伝えしたいと思い、このブログを開設しました。多くの方々が身近に感じ

    • 運動は脳にいい?!②<ストレス耐性が強くなる>

      私はカウンセリングの中で、うつや不安症、パニック障害、あがり症等の症状を持つクライアントさんに、「できれば運動をしてください」とお話しすることがよくあります。カウンセリングを受けに来たのに、なぜ運動を勧められるのか、とキョトンとされる方もいらっしゃいます。 その理由は、運動はストレス耐性を高めてくれるという研究結果が出ているためです。そこで今回は、なぜ運動が私たちのストレス耐性を高めてくれるのか、脳神経科学や生理学の観点からしてお話ししてみたいと思います。 運動とストレス

      • 海外生活編:駐在帯同家族の悩めるキャリア

        これまで駐在員のご家族からさまざまなご相談をいただきましたが、その中でよく耳にするのがキャリアの悩みについて。配偶者の赴任が決まったことで、泣く泣くキャリアを中断せざるを得なかった方は多いと思います。また近年、シンガポールやアメリカをはじめ、多くの国で駐在員の帯同家族が労働ビザを取ることが難しくなっているということもあり、働きたいけれど働けないという状態が長く続いてしまうということも… そうしたフラストレーションを抱えながら、家事や育児、その他海外生活にまつわるさまざまなス

        • 運動は脳にいい?!①<運動の効果を実感してみよう>

          運動が体に良いというのはみなさんご存知と思いますが、脳にも良いと知っていましたか?今回の記事では、運動が脳に与える効果をご紹介すると共に、運動が気分に与える効果を簡単に実感できる方法をご紹介します。 運動が脳にもたらす驚くべき効果 どんな食べ物がストレス軽減、脳の老化防止、記憶力に良いか、といった話題をよく耳にしますが、それに比べると運動による効果を耳にすることは少ないような気がします。しかし、実は運動による効果はとても高いという数多くの研究結果が出ているんです。 それ

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        米国ニューヨーク州公認心理士が心についてお話しするブログです

          海外生活編:メンタルのピンチは人生のチャンス?!

          『シンガポールこころの相談室 | 心理士・長谷川由紀』を更新いたしました(こちらはシンガポールの生活情報ウェブマガジ『マンゴスティン倶楽部』に掲載されています)。 第一回目の今回は、シンガポールをはじめとする海外での生活をスタートした方々に向け、環境の変化によりメンタルの不調をきたした際にどのように向き合えばよいかを書かせていただきました。環境の変化が引き金となるメンタルの不調は、海外生活のみならず、日本国内でも多くの方が経験されると思います。日本国内にいらっしゃる方にもご

          海外生活編:メンタルのピンチは人生のチャンス?!

          シンガポールのウェブマガジンに記事を掲載させていただくことになりました

          シンガポールの生活情報ウェブマガジン『マンゴスティン倶楽部』にて、海外生活にまつわるお悩みや心の問題に関する記事を掲載させていただくことになりました!ページのタイトルは『シンガポールこころの相談室 | 心理士・長谷川由紀』です。 海外からも日本国内からもお楽しみいただける内容を随時更新 こちらのウェブマガジンではシンガポールをはじめとした海外での生活を送られている方々に向けて、メンタルケアの方法や海外生活で起こりがちな症状や事例を紹介していく予定です。海外生活にまつわる心

          シンガポールのウェブマガジンに記事を掲載させていただくことになりました

          お知らせ:フォームへのメールアドレス・電話番号の誤入力

          最近、クリニックのウェブサイトから「お問い合わせフォーム」を使ってご連絡をいただく際、フォームにご入力いただいたメールアドレスや電話番号に誤りがあるため返信ができないという事態が増えています。 恐れ入りますが、お問い合わせフォームにご入力いただく際は、内容に誤りがないか再度確認をして頂きますようお願いいたします。 なお、2営業日以内にこちらからの返信がない場合は、メールアドレスや電話番号に誤りがある可能性があるため、お手数ですが info@yukihasegawa.org

          お知らせ:フォームへのメールアドレス・電話番号の誤入力

          カウンセラーの本棚 3<アメリカの超人気カウンセラーによるベストセラー『不倫の現実』>

          今回の記事では、アメリカでベストセラーとなった不倫に関する本をご紹介します。 この本は、前回の記事でご紹介したアメリカのカウンセラー、エスター・ペレル氏によって書かれ、大変話題になりました。タイトルは『不倫の現実: 浮気を再考する』(拙訳、原題 “ The State of Affairs: Rethinking Infidelity”)です。2017年に出版された本ですが、今でもアメリカの本屋では平積みになっていることがあるほど注目され続けています。 心理カウンセラーが

          カウンセラーの本棚 3<アメリカの超人気カウンセラーによるベストセラー『不倫の現実』>

          浮気をされるとなぜ傷つく②<アイデンティティーの喪失>

          以前公開した記事『浮気をされるとなぜ傷つく①<「記憶」と「現実」が乖離する>』に続き、今回は浮気によりアイデンティティーが崩れるという観点から、なぜ浮気がこれほど人の心を傷つけるのかを探ってみたいと思います。 米国のカウンセラーで、特に浮気・不倫に関するカウンセリングで著名なエスター・ペレル氏によると、浮気によって傷つく理由の一つは、それによって「愛を失うだけでなく、アイデンティティーを喪失するためだ」と著書『不倫の現実: 浮気を再考する』(拙訳、原題 “ THe Stat

          浮気をされるとなぜ傷つく②<アイデンティティーの喪失>

          親の不倫を子供に伝えるかという問題

          お子様がいらっしゃるクライアントさんから、パートナーの不倫を子供に伝えるか否か、というご相談を受けることがあります。難しい問題であり、何が正しいかをひとくくりにここで論じることはできません。しかし、親の不倫を知らされたという経験を持つ子供が大人になり、その心の傷を抱えてカウンセリングを受診するというケースをこれまでたくさん目にしてきました。そのため、今回の記事では、子供に伝えるか否かを決める際の判断材料として、子供にどのような影響が考えられるかをご紹介したいと思います。 ま

          親の不倫を子供に伝えるかという問題

          “語ることができれば、全ての悲しみは耐えられる”

          前回の記事では、浮気(不倫)が発覚したときに傷つく理由の一つは、これまでつむいできた自分の歴史・物語の一貫性・信憑性が失われるためである、というお話しをしました。今回の記事では少し横道にそれますが、人間にとって語ること、物語を作ることの大切さについて考えてみたいと思います。 語ることについて、私のお気に入りの言葉を紹介します。 これはイサク(アイザック)・ディーネセンというデンマークの女性作家が『アウト・オブ・アフリカ』という彼女の代表作の中に記した言葉です。直訳により少

          “語ることができれば、全ての悲しみは耐えられる”

          浮気をされるとなぜ傷つく①<「記憶」と「現実」が乖離する>

          前回の記事では浮気(不倫)が発覚したときの心理を解説しました。パニック状態になるほど心理的ダメージが強いというお話をしましたが、それではなぜそれほど深く傷つくのかを今回は紐解いてみたいと思います。 浮気をされたとき、人は何に深く傷つくのか。この問いに、ニューヨーク タイムズ誌に掲載された『最大の裏切り(Great Betrayals)』という記事の中で、米国の精神科医アンナ・フェルズ氏は次のように答えました。 これは具体的にどういうことなのか、前回に続きA子さん(40代、

          浮気をされるとなぜ傷つく①<「記憶」と「現実」が乖離する>

          不倫が発覚するとどんな心理状態になる?<まずパニックに>

          第一回目の今回は、パートナーの不倫が発覚したときどのような心理状態になるかをお話します。そこでまず、夫に不倫をされて傷ついたA子さん(40代、会社員)の事例を使って考えてみましょう。 A子さんのように、不倫を知った直後はパニック状態に陥るため、「どうしたらよいか分からない」という状態でカウンセリングにいらっしゃる方が多いです。そして怒りや悲しみの感情が非常に強く出てくるため、涙が止まらない等、理性的に話すことが難しくなるものです。 不倫が発覚したばかりのカップルとのカウン

          不倫が発覚するとどんな心理状態になる?<まずパニックに>

          『恋のトキメキはどうして終わる?』が最も読まれた理由を考えてみる

          これまで約45記事ほど、心理のお話をこのブログに投稿してきました。うつやパニック障害、不安症、親子関係等、さまざまな分野を取り上げてきましたが、その中でも圧倒的に多く読まれているのは恋愛関係に関する記事でした。 恋愛関係の中でも特にアクセスやお問い合わせが多かったのは、『恋のトキメキはどうして終わる?』という記事でした。この記事では3回にわたり、人を好きになり始めのドキドキワクワクとした気持ちがどうして時と共に薄れていくのかを、脳内物質ドーパミンとの関連から説明をしました。

          『恋のトキメキはどうして終わる?』が最も読まれた理由を考えてみる

          カウンセラーの本棚2<米国経済学者が教える、育児における賢い選択術(新生児期〜幼児期編)>

          前回の記事では産後育児中に不安に陥りやすい理由を睡眠不足の観点からお話ししました。今回は、不安になりやすい育児中に役立つ本をご紹介します。 今回ご紹介する本は、米国ブラウン大学の経済学教授エミリー・オスター氏が執筆した『育児のカンニングペーパー:統計的データに基づくより良い、より楽な育児(新生児期〜幼児期)』(拙訳、2019年)(”Cribsheet: a data-driven guide to better, more relaxed parenting, from b

          カウンセラーの本棚2<米国経済学者が教える、育児における賢い選択術(新生児期〜幼児期編)>

          その不安、睡眠不足のせいかも?

          睡眠が不足することによってイライラしたり、気分が優れなかったりすることは、経験的に容易に想像できるのではないかと思います。しかし、睡眠不足と不安の関係について考えたことはあるでしょうか。 2024年4月号の『Psychological Bulletin』という雑誌に、過去50年間に行われた154件5,717人を対象とした睡眠不足に関する研究を解析した結果が発表されました。それによると①睡眠を全くとらない、②睡眠時間を通常より減らす、③睡眠中に複数回起こす、という3タイプ睡眠

          その不安、睡眠不足のせいかも?