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夕暮れの公園

学校の帰り道
君と一緒に帰るのは 何度目だろう

気恥ずかしくて
隣に並んで歩こうか
一歩先を歩こうか
距離を図りかねている

夕暮れの公園

幼かった頃のように
並んでブランコを漕いで
どっちが大きく漕げるのかを競って

そんな一瞬が とても愛おしくて

ベンチに並んで座り
弾んだ呼吸を整えたら

急に鼓動が速くなる

「手、繋いでいい?」
恥ずかしくて 君の顔を見られないけれど

白くて細い君の手が
スッと伸びてきて

重なった瞬間
心臓が別の生き物のように 動き出した

「ヤバイな」

僕の鼓動が伝わりませんように

平静を装いながら
「顔が赤いね」
僕が言う

「夕日のせいだよ」
はにかみながら 君が言う

きっと二人とも夕日のように真っ赤なはずだ

まだ始まったばかりの二人だから
ドキドキと愛おしい時間を
一つ一つ積み重ねて
ゆっくり歩んでいこう

僕らを見守る公園のゾウに誓って



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