#23 John F. Kennedy International Airport(ジョン・F・ケネディ国際空港)出発。私とおばちゃんの発音、何がどう違う?・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月1日(木)1日目•••23

John F. Kennedy International Airport(ジョン・F・ケネディ国際空港)で、初のおトイレにてスッキリしたところで、次のミッション開始。
JFKからAirTrain(エアトレイン)に乗ってJamaica(ジャマイカ)駅に行く。

ここからは、もう日本語はまったく通じないし、日本語を話せる人もいない。そして当然、AirTrainの乗り場も乗り方もわからない。
右を見ても左を見ても前も後ろも、アルファベットだらけ。おまけに矢印もない。おっかなびっくりしながら、自分に言い聞かせる。
〝こらっYUKIE! 気をしっかり持て!  おどおどするな! 子どもじゃないんだから! いい歳した大人でしょ!!〟
 
トイレが空港内フロアの1番端だったので、とりあえず中央エリアまで進んだ。
通路際の小さなフードコートにDunkin' Donutsがあった。日本でも見慣れたオレンジとピンクの文字にホッとした。もしかしたら滞在中にお世話になるかもしれないと思いつつさらに進むと、インフォメーションカウンターがあった。

さっきバッケージクレームで、おにいさんに言ったThank youが通じたことで、すっかり気をよくした私は、迷わずカウンターの中のおばちゃんに張り切って尋ねた。
「エアトレイン」
尋ねると言うより、エアトレインと元気よく言っただけ。
本当は「エアトレインに乗るにはどっちに行ったらいいですか?」と聞きたかったのだが、聞ける(話せる)はずもなく、しかも自分では巻き舌で英語っぽく発したつもりのエアトレインだったが、おばちゃんにはカタカナ英語に聞えたらしく、眉間にしわを寄せて戸惑っていた。
〝ああ……通じないか……乗れないじゃん、AirTrainに。Jamaica駅に行きたいんだけどなぁ〟と私も戸惑った。するとおばちゃんは急に察したらしく、
「Oh! AirTrain!」
と言い直しながら、右方向を差し、そして私の後方を指差してくれた。
当然おばちゃんのAirTrainは滑らかな英語の発音だった。
いやぁ、でも、私の“エアトレイン”とおばちゃんの「Oh! AirTrain!」には大差なかったけどなぁと思いつつ、教えられたとおりに進んでいくと、天井近くの看板にAirTrainと書かれた文字が読めた。
 
一旦建物から出て横断歩道を渡る。初めて本物のNew Yorkの信号機を見た。人が歩いている姿の絵が白く点灯している。私も絵のように歩き、空港と対面している建物に入る。
どうやらエレベーターに乗るようだ。エレベーターの前には初老のおじさんが立って待っていた。このおじさんと一緒に乗り込めばボタン操作をしなくても済みそうだ。取りあえず緊張しながら無言で待つ。

1階に下りてきたエレベーターに乗って驚いた。広い。3畳くらいありそうだ。空港からの客は大きな荷物をたくさん持っているだろうし、ここはアメリカだし、エレベーターも広くなければね、と1人で納得しながらおじさんと乗った。
エレベーター内のボタンを見たが、案の定、どれを押したらいいのかわからず、おじさんにお任せした。
ホーム階に着いてエレベーターから降りようとすると、おじさんが、
「Jamaica?」
と聞いてきたので
「Jamaica」
と返すと、おじさんは〝こっちだよ〟カモーンと手招きしながら、ホームへ案内してくれた。Jamaica行きの電車が入ってくる路線を指さしながら、
「Jamaica」
と教えてくれた。ここでも
「Thank you」
とお礼を言うことができた。
ほどなくしてホームに電車が入ってくると、おじさんも一緒に乗り込んだ。横1列に並ぶ向かい合った椅子の、私の斜め前に座り、優しい表情をして座っていた。
 
AirTrainは空港内のターミナル駅をいくつか回り、やがて空港から出て街に向かって走り出した。
日本でこの光景をYouTubeで何度も何度も見ていた。憧れでドキドキしながら見ていたあのPC画面を、今、私は実際に体験しているのだ。
Jamaica駅に向かって。

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